日本の地域別高齢化率と平均寿命
公開日:2016年7月25日 17時00分
更新日:2022年11月 4日 14時55分
日本の地域別の高齢化率
日本の少子高齢化は、過去の予測を超えるスピードで進行していますが、これは全国的に均等なわけではありません。例えば、平成22年と平成27年の65歳以上の人口の割合を、都道府県別に見てみましょう(グラフ1、表)。
都道府県 | 平成12年高齢化率 | 平成27年高齢化率 |
---|---|---|
北海道 | 18.23 | 29.09 |
青森県 | 19.53 | 30.15 |
岩手県 | 21.45 | 30.41 |
宮城県 | 17.29 | 25.74 |
秋田県 | 23.53 | 33.92 |
山形県 | 22.97 | 30.84 |
福島県 | 20.35 | 28.72 |
茨城県 | 16.62 | 26.73 |
栃木県 | 17.17 | 25.91 |
群馬県 | 18.18 | 27.57 |
埼玉県 | 12.84 | 24.83 |
千葉県 | 14.14 | 25.89 |
東京都 | 15.89 | 22.68 |
神奈川県 | 13.80 | 23.86 |
新潟県 | 21.28 | 29.83 |
富山県 | 20.75 | 30.64 |
石川県 | 18.58 | 27.88 |
福井県 | 20.53 | 28.72 |
山梨県 | 19.62 | 28.45 |
長野県 | 21.45 | 30.08 |
岐阜県 | 18.18 | 28.07 |
静岡県 | 17.65 | 27.81 |
愛知県 | 14.54 | 23.82 |
三重県 | 18.86 | 27.95 |
滋賀県 | 16.08 | 24.29 |
京都府 | 17.44 | 27.57 |
大阪府 | 14.97 | 26.23 |
兵庫県 | 16.95 | 27.14 |
奈良県 | 16.63 | 28.72 |
和歌山県 | 21.14 | 30.87 |
鳥取県 | 22.06 | 29.74 |
島根県 | 24.77 | 32.47 |
岡山県 | 20.18 | 28.69 |
広島県 | 18.50 | 27.53 |
山口県 | 22.25 | 32.15 |
徳島県 | 21.99 | 31.00 |
香川県 | 20.90 | 29.95 |
愛媛県 | 21.50 | 30.66 |
高知県 | 23.71 | 32.78 |
福岡県 | 17.39 | 25.90 |
佐賀県 | 20.39 | 27.70 |
長崎県 | 20.83 | 29.66 |
熊本県 | 21.30 | 28.80 |
大分県 | 21.77 | 30.39 |
宮崎県 | 20.70 | 29.57 |
鹿児島県 | 22.62 | 29.44 |
沖縄県 | 13.95 | 19.75 |
全国の都道府県中、平成12年現在での高齢化率が高かった地域は、平成27年の高齢化率も高い傾向にあります。ではこれを、平成27年の高齢化率が高い方から、並び替えてみます(グラフ2)。
47都道府県中、65歳以上人口の割合が25%以上である都道府県は、平成12年の段階では0でした。もっとも高齢化率が高かった島根県でも24.77%であり、全国平均では17.36%。この時点ではまだ、日本は「高齢社会」だったことになります。
しかしそれから15年後の平成27年のデータを見ると、高齢化率が25%を超えている都道府県は、47都道府県中、41の都道府県でした。全国平均でも26.65%ですから、日本はすでに「4人に1人が高齢者」という社会になっています。
65歳以上人口の割合がもっとも高いのは、平成12年は島根県、平成27年は秋田県です。秋田県の平成27年の高齢化率は、33.92%で、全国平均よりも7ポイント以上、平成12年からの15年間で10ポイント以上、増加していることになります。さらに、高知県、島根県、山口県、徳島県、和歌山県、山形県、愛媛県と、高齢化率30%を超える県が続きます。
日本の地域別の高齢者単独世帯数と割合
また、65歳以上の人口の単独世帯数と、全世帯に対する割合を都道府県別にみると、以下のようになります(グラフ3)。
65歳以上の単独世帯は、東京都や大阪府などで多くなりますが、これは元となる全世帯数も多いためです。65歳以上の単独世帯の割合でみると、もっとも高いのは高知県の16.49%、これに鹿児島県の15.33%、和歌山県の15.0%が続きます。
一方で、高齢化率としては2番目に低かった東京都は、65歳以上の単独世帯の割合が11.05%くらいですので、全国平均の11.11%と大きくは変わりません。高齢化率がもっとも高かった秋田県では、65歳以上の単独世帯は12.34%で、全国平均よりも1ポイント以上多いことになります。
これらのことから考えると、同じ日本であっても、地域別の高齢化率は大きく異なるだけでなく、それぞれの地域によって高齢者の単独世帯の数も異なり、一概に高齢者が多い=単独世帯の高齢者も多いということにはならない、ということです。
日本の地域別の平均寿命
厚生労働省発表の平成28年簡易生命表によると、日本人の平均寿命は、男性80.98歳、女性87.14歳でした。平均寿命には男女差があります。平成25年(1950年)には3.4歳の差でしたが、平成28年(2016年)には6.16歳まで、拡大しました。
もう一つ、人の寿命を考えるときに挙げられる言葉として「平均余命」というものがあります。これは、ある一定の年齢に達した時、あと何年くらいの余命があるか(生きる可能性があるか)を示しています(グラフ4)。
これを、65歳以上の平均余命として、男女別、都道府県別にみてみましょう。
65歳時点の平均余命がもっとも長いのは、男性では長野県の19.78歳、女性では沖縄県の24.89歳です。一方で、65歳時点の平均余命がもっとも短いのは、男性では青森県の17.59歳、女性では栃木県の23.22歳です。このデータは平成22年のものですから、現在では少し変わっている可能性はありますが、もっとも長い都道府県ともっとも短い都道府県の間には、男性では2.12歳、女性では1.67歳の差があります。つまり、65歳時点での平均余命は全国均一ではありませんし、男女差もみられています。
これらの背景には、地域差や生活環境の差などが考えられますが、性別による違いや、同じ都道府県でも男女差がある場合など、その理由を一概に述べることは難しいでしょう。しかし、高齢者が安心して長生きできる地域には、何かしらの「地域性」があります。今後の高齢者に対する施策等は、このような「地域性」も加味し、地域別に行われることが必要である、ということが分かります。