健康長寿ネット

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めまい

公開日:2016年7月27日 03時00分
更新日:2019年6月19日 14時18分

めまいの症状

 めまいとはぐるぐる回る感じがするもの(回転性)や、体がふわふわ浮いているような感じ(浮遊感)がするものがあります。

めまいの原因

 めまいの原因は大きく分けて耳が原因の場合と脳が原因の場合があります。 できるだけ早く病院を受診した方がよいのは脳梗塞・脳出血・脳腫瘍といった脳の病気や難聴などの後遺症が残る可能性がある突発性難聴・中耳炎です。メニエール病・前庭神経炎・良性発作性頭位めまい症は生命の危険や後遺症の少ない、比較的心配のないめまいです。

めまいの診断

 病院では、めまいのタイプ(回転性・浮遊感)、発症日時、めまいは継続しているか繰り返しているか、特定の姿勢で出るのか、他の症状(耳鳴り・難聴・しゃべりにくさ・手足のまひ)がないか、といったことを聞かれますので、あらかじめメモしておきましょう。さらに頭のCTやMRI、聴力検査や血液検査などが行われることもあります。

めまいの治療

 めまいそのものを抑える薬では耳の血流を良くしたり、耳のむくみを取り除く、神経の炎症を抑える薬などがあります。その他に原因が脳の病気があれば脳の治療、耳の病気があれば耳の治療も並行して行います。リハビリを行いバランス感覚を整えたり、稀ですが手術で治療することもあります。

めまいのケア・予防

 めまいの原因に風邪やストレスが関係しているものもあるので、日頃から風邪予防にマスクや手洗いをしたり、ストレスをためないようにしましょう。めまいが出たら体を休めた方が良い場合と、逆にできるだけ体を動かした方が良い場合もあります。病院でその後の生活の注意点も聞いておきましょう。

最も多い良性発作性頭位めまい症

 良性発作性頭位めまい症は、頭の位置によって引き起こされる回転性のめまいで、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。良性発作性頭位めまい症は生命の危険がなく、後遺症も残りません。めまいの原因として最も多いと考えられています。

 良性発作性頭位めまい症は耳の奥にある前庭の異常です。前庭は耳石器(図の卵形嚢と球形嚢を合わせたもの)と三半規管(図の前半規管・後半規管・外側半規管の3つ)に分けられます。耳石器の中には炭酸カルシウムが固まった耳石がくっついていて、頭の向きを変えると耳石が重みで位置を変え、頭の位置を脳に知らせています。

 三半規管の中は液体で満たされていて、頭の位置を変えると中に水流が生まれ、頭の動きを止めると流れも止まります。ところが耳石器の中にあった耳石がはがれて三半規管に入ると、頭の動きを止めた後も三半規管の中で耳石が動き、まだ動いているように脳を錯覚させ、その結果めまいが起きます。

 耳石は年齢が上がるとともにはがれやすくなります。また、頭をぶつけたり、中耳炎や耳の手術、長い間寝たままでいることも良性発作性頭位めまい症が起きやすくなると考えられています。

図:内耳の構造。内耳は前半規管、後半規管、外側半規管、卵形嚢、球形嚢、蝸牛で構成されています。
図 内耳の構造

 良性発作性頭位めまい症は問診だけでもある程度診断が可能です。場合によっては他の検査を追加することがあります。その他にめまいが起きやすい姿勢をとり、めまいが起きるまでの時間や症状をみるディックス・ホールパイク法をいう検査があります。

 良性発作性頭位めまい症の治療には耳石を元の位置に戻すエプリー法と呼ばれる方法があります。この方法は約9割の人に効果があります。その他に、めまいが起きる姿勢を繰り返すことで段々と改善することがあります。これらの方法で治らない場合にはめまいを抑える内服薬を使用することもあります。

 良性発作性頭位めまい症は出来るだけ動いた方が治りやすいめまいです。また、三半規管は耳石器よりも高いところにあるので、枕を高くすると耳石が三半規管に入りにくくなり発症の予防になります。

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