健康長寿ネット

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頻尿

公開日:2016年7月25日 09時00分
更新日:2019年6月19日 17時21分

頻尿の症状

 頻尿は排尿の回数が多いことをいいます。普通の排尿回数は起きている間に5回、寝ている間に0-1回です。起きている間に8回以上、寝ている間に2回以上くらいを頻尿の目安にします。とはいえ、回数が多くても本人が困っていなければ治療は不要です。逆に回数が少なくても本人が困っていれば治療の対象となります。

 具体的な症状としては排尿直後にも関わらず尿が残っている感じ(残尿感)、急におしっこがしたくなって我慢ができない(尿意切迫感)、尿が間に合わず漏れる(切迫性尿失禁)などがあります。

頻尿の原因

多飲

 頻尿の原因には水分を多くとり過ぎているだけの場合もあります。頻尿がある人は一度排尿の日記をつけてみましょう。朝起きてから次の日起きるまで、排尿の時間と出た量、どういう感じでトイレに行ったのか、飲んだ水分や食べたものも記録し、客観的に見られるようにすると原因がわかりやすくなります。

尿路感染症

 膀胱炎や前立腺炎など尿の通り道に細菌が感染すると、膀胱が刺激されて早く尿を出そうとします。稀に細菌感染の無い炎症でも同様の症状が出ることがあります。

前立腺肥大

 男性は尿道を取り囲むように前立腺があります。この前立腺が大きくなると膀胱や尿道を圧迫し、「排尿の途中で尿が途切れる」「尿が出きらない感じ」といった症状が現れます。前立腺肥大は60歳で60%、70歳で80%の人に見られますが、必ずしもすべての人に症状が出るわけではありません。

過活動膀胱

 膀胱はある程度尿が溜まると膀胱の壁が感知してトイレに行きたくなるようにできていますが、十分尿が溜まる前にトイレに行きたくなるのが過活動膀胱です。

腫瘍

 腫瘍で頻尿の原因になるのは膀胱がんです。膀胱がんでは血尿も認められることが多いです。70歳を超えると増加するため、原因不明の頻尿の場合は泌尿器科の受診が勧められます。

心因性

 泌尿器科的な原因がなく、また尿量も正常であるのに排尿回数が増えてしまう場合があります。この場合はトイレのことが気になり、頻回にトイレに行ってしまう心因性が考えられます。心因性の場合は寝ている間の頻尿はみられません。ひどい場合には心療内科の受診が勧められます。

頻尿の診断

 頻尿の診断は決まったものはありません。トイレに頻回に行くことで困っていれば治療対象です。

頻尿の治療

 原因となる病気があればその病気の治療を優先します。細菌性の膀胱炎や前立腺炎の場合は抗生剤の治療により病気の治癒とともに頻尿は改善します。前立腺肥大の場合には投薬が中心ですが、程度によっては手術を勧められることもあります。水分の摂取が多い場合は食事を含めて水分量を見直しましょう。

 年齢とともに膀胱の機能は低下し、膀胱の力が弱い人が増えます。神経の病気や手術による神経の障害でも膀胱の力は弱くなります。その場合は膀胱の力を強くする薬が使用されます。

頻尿のケア・予防

 水分を摂り過ぎている場合は適切な量にすること、水分はカフェインを含まないものに変えましょう。アルコールも利尿効果があり、夜に飲酒すると睡眠中の排尿が増えます。

 女性は尿道が短く膀胱炎になりやすいという特徴があります。膀胱炎の時に尿を我慢すると膀胱炎が悪化するので、トイレを我慢しないようにしましょう。オムツで過ごしている人は陰部が便で汚れることでさらに膀胱炎になりやすいため、陰部の清潔を保つよう心がけましょう。

 また、眠れないためについ気になってトイレに行くことは多くの人に見られます。高齢になるとねむりが浅くなる傾向があります。トイレに行きたくなるために眠れない場合もありますが、その逆もあるわけです。その場合は太陽の下で日中よく体を動かして、ぐっすり眠るようにしましょう。

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