健康長寿ネット

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転倒・骨折予防具

公開日:2016年7月25日 00時00分
更新日:2019年6月21日 13時10分

転倒・骨折予防具の必要性

 高齢者においては立位能力・歩行能力が低下し、転倒の危険性が高くなっています。65歳以上の高齢者の約3分の1が1年間に1回あるいはそれ以上、転倒経験があることが報告されています。

 受傷すると日常生活動作に著しく障害をきたしやすい大腿骨頸部骨折の90%は転倒によって生じると報告されています。転倒の経験は身体的・精神的に悪影響を及ぼし、健やかな老後生活の妨げとなり、高齢者のQuality of life(QOL:生活の質)を著しく低下させる要因となります。

 高齢者が病院に入院中、もしくは施設入所中の転倒、転落に伴う骨折および外傷を予防する取り組みが行われている中で、転倒、転落する危険が高い高齢者に対しては、傷害予防具の使用が勧められます。

ヒッププロテクター

 転倒した時に股のつけ根を保護して、大腿骨頸部骨折を予防しようとするものです。

 下着に柔らかい素材で作られたパッドがついているタイプが写真1に示されています。転倒した時の衝撃力をパッドで吸収して、骨折を予防するものです。まだこれ以外にも硬いパッドが入れられているものなど各種あります。医療保険の対象になっていないので、自費の購入になります。

 基本的には、頻回に転倒される方、ある程度歩行能力のある方に適応があります。

写真1: ポジー社製ヒッププロテクター

頭部保護帽

 転倒時に頭部を打撲することによる外傷および脳内出血などを予防する帽子です(写真2)。転倒しても大きな傷に到らないようにする帽子です。

 頻回に転倒される方で、特に転倒時に手で防御することができなく、頭部への衝撃を防ぐことができない方に適しています。

写真2: 頭部保護帽

離床センサー(クリップセンサー、赤外線センサー、マットセンサー)

 ベッドから離れる時は、「ナースコールを押してね」とか「呼んでください」と説明しても、待てないでベッドから動いて転倒する可能性がある患者さんに使用します。患者さんがベッドから離れるとナースコールがされるものです。

 クリップセンサーは、最も簡単に装着できます。患者さんの拘束感が強いのですが、車いすからの立ち上がりをモニターするのによいかもしれません。赤外センサーとマットセンサーは、拘束感が少ないので、認知面の問題の少ないケースでの利用が考えられます。 (写真3、4、5)

写真3: ポジー社製クリップセンサー

写真4: ポジー社製赤外線センサー

写真5: マット式センサー

衝撃吸収マット

 ベッドから転落したり、ベッドの脇で転倒しやすい患者さんに使用します。転倒時の衝撃力を吸収するマットです。ベッドの脇の床に引いて用います。転倒・転落に伴う骨折予防としては、最も効果があると考えられます。離床センサーと併用して使用することが多いです。

写真6: ポジー社製衝撃吸収マット

高齢者の転倒予防

転倒

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