人工肛門
公開日:2016年7月25日 07時00分
更新日:2024年8月28日 14時43分
人工肛門とは
人工肛門とは、腫瘍、外傷、消化管穿孔などのいろいろな疾患に対する治療として手術的に自然肛門以外の場所から排便するように皮膚と腸をつなぐことです。自然肛門と異なり肛門括約筋がないため排便排ガスのコントロールができず便意もなくいわば失禁状態となります。
人工肛門の種類
(1)期間による分類
- 永久的人工肛門:直腸がんに対する腹会陰式直腸切断術では自然肛門もがんとともに切除されてしまうため永久的人工肛門となります 。
- 一時的人工肛門:外傷や腸穿孔などの理由により一時的に人工肛門を作ることがあります。この場合は再手術により人工肛門をなくし元通り自然排便できるようにすることが可能なことがあります。
(2)部位による分類
- 結腸人工肛門:結腸に造設
- 回腸人工肛門:回腸に造設されるため水様便が多量に排出される。
(3)開口部の数による分類
- 単孔式人工肛門:腸の断端を皮膚と縫合する。
- 双孔式人工肛門:口側と肛門側の穴が二つある。
人工肛門の管理
人工肛門からは絶えず便やガスが排出されるため、皮膚保護剤とバッグからなる装具を皮膚に貼り付け便をバッグ内に排出させます。バッグに便が貯まったら外に出します。皮膚保護剤とバッグは1-5日程度で張替えが必要です。
洗腸法
下行結腸、S上結腸人工肛門の方は1-2日おきに微温湯を人工肛門から結腸内に注入し強制的に浣腸を行なうことにより、排便のコントロールが可能となります。