ヒト臍帯血が老化脳を救う?
公開日:2017年7月12日 11時00分
更新日:2022年12月 2日 14時24分
驚くべき結果だ。人間の臍帯血を老化マウスに静注すると脳の海馬での認知能が高まる。c-Fosが誘導され、電気生理でも行動レベルでも改善が確認できる。血液の成分分析をするとTIMP2というメタロプロテイナーゼの阻害蛋白が効いているらしい。TIMP2はへその緒の臍帯血では発現が高いが生後のマウスの血液では低い。TIMP2抗体で処理した血液では認知能改善効果がない。以前の老若マウスの生体融合(パラビオーシス)実験でもそうだったが、幼若期の血液成分が老化脳を救うかもしれない。米国スタンフォード大学からの研究成果だ。
文献
Castellano JM, et al. Nature 2017;544:488-492
転載元
公益財団法人長寿科学振興財団発行 機関誌 Aging&Health No.82