ガンマがベータを駆逐する:40Hzの光照射でアルツハイマー病を防ぐ?
公開日:2017年4月14日 15時54分
更新日:2022年12月 2日 14時26分
薬や抗体によらず、光照射でアルツハイマー病(AD)が防げるかもしれない。脳内にはさまざまな周波数の波、オシレーションがある。いわゆる脳波だが、そのうちガンマ波(20~50Hz)といわれる波の変化がADなどの神経変性疾患で観察されていた。ADモデルのマウスでもその脳波のくずれが認知度の進行やAβの蓄積と対応する。そこでADモデルのマウスの海馬に40Hzの光を照射してみると、ミクログリアが活性化されAβの蓄積が抑えられた。おもしろいことに、この光照射は脳の視覚野でも効果がある。すると目からの光刺激でもAβの蓄積を抑えられるかもしれない。目からうろこの新たなAD治療戦略となるか、大変興味深い。米国MITのL.H. Tsaiのラボからのニュースである
文献
Iaccarino HF et al. Nature 540.230-235, 2016
転載元
公益財団法人長寿科学振興財団発行 機関誌 Aging&Health No.81