認知症に対する様々な療法
公開日:2016年7月24日 10時00分
更新日:2019年11月 8日 16時03分
認知症高齢者に対して、愛護的にやさしく触れるものから、十分時間をかけてマッサージを行うものまであります。
マッサージ療法は、ゆっくりとしたマッサージを施行することにより、リラックスした状態にして、不安行動、歩きまわったり、介護者への抵抗を減少させる効果があります。
バリデーション
バリデーションとは、認知症高齢者とコミュニケーションをとるための療法で、具体的には、共感と同意を持って話しを聞く、事実に基づいた言葉を使う、認知症の人の言葉を繰り返す、アイコンタクトをとる、やさしく触れる、思い出話をするなどのテクニックを用いることで、認知症高齢者の理解、自尊心の回復、他の人とのコミュニケーションの促進、ストレスや不安の軽減、介護者との信頼関係の構築を図る療法です。
バリデーションのテクニックは、スタッフや家族が簡単に習得できる点が特徴です。
ペット療法
犬やネコなどの動物に触れたり、一緒に遊んだりすることにより、情緒の安定や問題行動の減少を図る治療です。
施設によっては金魚、小鳥などの身近なペットばかりでなく、ポニー、フラミンゴなどを飼育しているところもあります。ペット療法に近い形で、人形を抱かせるドールセラピー(人形療法)もあります。ペット療法により興奮などの異常行動を減少させる効果があります。
絵画療法
レクレーション療法のプログラムにも導入される治療法で、水彩画、油彩、クレパスなどで絵を描く療法です。絵を書くことを通じて、自分自身の現在を表現し、他の人々とよく交流することができるようになります。
また認知症高齢者の精神機能を活発化させ、自発性、集中力や意欲面を向上させるのに効果があります。
コラージュ療法
コラージュ療法は、主として初期の認知症高齢者に有効な方法です。
認知症高齢者は、抽象的思考力が障害されるので、白い紙に自由に絵を描くことはだんだん困難となりますが、コラージュは、「貼り絵」のようなもので、既存の写真の切り抜きやキャッチコピーを、白い画用紙に思い思いに貼るという点で、障害のある人にとって、負担の少ない方法です。
陶芸療法
陶芸療法は、ロクロ形成、手捻り、釉薬(ゆうやく:うわぐすり)掛けなどを行い、その中で他人とのコミュニケーションを図りながら、情緒の安定、問題行動の減少をはかる療法です。
園芸療法
花や野菜を育てて、それを栽培することで、精神の安定を得る治療法です。
土や草花などに触れることで、精神が安定し、花や野菜を育てる過程で、本人に責任感や満足感が得られ、植物が成長する喜びを分かち合うことで、周囲の人とのコミュニケーションや会話が促されます。
化粧セラピー
化粧セラピーは顔を蒸しタオルで蒸した後に、ゆっくり時間をかけてマッサージをし、ほお紅と口紅を使うなどの化粧をすることで、自信や安らぎなどを得る治療法です。
効果としては、きれいになることで、意欲がわき、生活に張りが出てきます。化粧をしながら、他人とのコミュニケーションが持てるなどの効果がみられます。
関連書籍
公益財団法人長寿科学振興財団は超高齢社会における喫緊の課題として認知症の実態、診断・予防・ケアについて学術的研究成果を「認知症の予防とケア」と題して研究業績集にまとめました。研究業績集の内容を財団ホームページにて公開しております。是非ご覧ください。