介護保険の福祉用具:特殊寝台付属品(マットレスや手すり等)とは
公開日:2019年2月13日 17時30分
更新日:2019年2月21日 11時52分
特殊寝台付属品とは
特殊寝台付属品とは、介護のために必要となる特殊寝台に付属する製品の総称です。サイドレール、マットレス、手すり、テーブルなどがあります。
特殊寝台付属品のサイドレールとは1)
特殊寝台に取り付ける付属品として、「サイドレール(図1)」があります。これは、転落予防や寝具の落下予防のために用いられるものです。柵状になっている製品が多く、ギャッチベッドやハイ・ロー機能付きのベッドのほとんどは、サイドフレームにサイドレールを取り付ける専用の穴を備えています。その他に折り畳み式のサイドレールがサイドフレームと一体になっているものもあります。多くの製品は抜き差しがしやすいことが特徴です。
特殊寝台付属品のサイドレールの選び方のポイント
特殊寝台付属品のサイドレールの選び方のポイントは、手足の不随意運動により柵上の隙間に入り込む可能性がある場合には、ループ状や隙間のない板状のレールを選ぶとよいでしょう。
立ちあがり時など「支え」として使用することは、安全面を考えると望ましくありません。体重がかかることを考慮するならば、サイドレールよりも「ベット用手すり(図3参照)」を使用しましょう。
特殊寝台付属品のベッド用手すりとは
特殊寝台付属品のベッド用手すりとは、ベッドの側面に取り付けるもの(図2)で、ベッドからの乗り降りの際につかまることで、身体を支える役割を担うものです。
特殊寝台付属品のベッド用手すりの選び方のポイント
特殊寝台付属品のベッド用手すりは、ベッドのフレームの穴に差し込むタイプが主流ですが、中には安全性に配慮して床にもステム(床方向に延びる棒の部分)を伸ばすタイプのものもあります。片麻痺がある場合には、手すりの位置を考慮して設置すると良いでしょう。
特殊寝台付属品のマットレスとは
特殊寝台付属品のマットレス(図3)は、ベッドの上に敷いて使用するもので、一般的には、体の沈み込みによる寝返りや起き上がりのしにくさを避けるため、弾性を硬めにした製品が多くなります。マットレスの素材は様々なものがあり、厚みや硬さも製品によって様々です。
特殊寝台付属品のマットレスの選び方のポイント
特殊寝台付属品のマットレスの選び方は、利用する方の状況により、いくつかのポイントに分かれています。
- 自分で寝返りをうてる人や動ける方は、硬めの素材を選ぶと良いでしょう
- 移動や移乗には介助が必要であるものの、ベッドの縁に座っていられる方は、硬い素材でかつ縁も硬めのものを選ぶと良いでしょう
- 自力で動くことができない方は、体圧分散効果のある柔らかい素材のものを使用すると良いでしょう
基本的には、介護される方の身体状況と、硬さの好みに合わせて選択することが望ましいとされています。
なお、自力での寝返りが難しくなった場合、通常のマットレスの他に、積極的に体圧分散を行うことを目的とした褥瘡予防用具の導入を検討するとよいでしょう。
特殊寝台付属品のテーブルとは
特殊寝台付属品のテーブルとはベッドに居ながら使用できる台のことを言い、食事やそのほか日常のさまざまな場面で使用することができます。
特殊寝台付属品のテーブルの種類は、テーブル両端にキャスターのついた脚のついている門型タイプ(図4)、テーブルの片端のみ脚があり、L字型のキャスター脚をベッドのフレームの下に差し込むタイプ(図5)、サイドレールの上部レールにテーブルをはめて使用するもの(図6)などがあります。
特殊寝台付属品のテーブルの選び方のポイント
特殊寝台付属品のテーブルには、門型タイプ、あるいはL型タイプなど「キャスターが付いたタイプ」のものは、利用者に合わせて高さが調整できるという利点があります。ただし、キャスターを差し込む際の一定のスペースを必要としますので、比較的広い部屋にベッドが配置されている場合に、適しています。
サイドレールの上部レールに載せるタイプは、サイドレールの高さによりテーブルの高さも決まってくるので、高さの調整はできません。また、サイドレールの上部にはめるタイプは、はめ込む部分のサイズや位置などの関係上、サイドレールと同じメーカー製のものを選ぶ必要があり、選択肢が少なくなる可能性があります。ただし、スペースを要しないというメリットがあるため、比較的狭い部屋にベッドが設置されている場合でも、利用できるものです。
ベッドや寝室のスペースを考慮し、適切な製品を選ぶとよいでしょう。
特殊寝台の詳細については、「特殊寝台」をご確認ください。
特殊寝台付属品の利用状況2)3)
在宅医療への移行が進められる中、特殊寝台および特殊寝台付属品の貸与件数は年々増加傾向にあります。特に2006年頃から、急に増えており、その傾向は2017年まで引き続いていることが分かります。2017年現在では、3千万件を超えています。一方で、一件あたりの貸与費用は、わずかながら減少傾向にあります。2017年の貸与費用の平均は、1,289円程度でした(図7、表1)。
年 | 件数(千件) | 1件あたり平均貸与金額(円) |
---|---|---|
2007年 | 16,542.3 | 1,468.5 |
2008年 | 17,802.9 | 1,455.7 |
2009年 | 19,214.5 | 1,421.0 |
2010年 | 20,990.5 | 1,382.9 |
2011年 | 22,696.2 | 1,365.5 |
2012年 | 24,449.7 | 1,353.7 |
2013年 | 25,957.2 | 1,342.7 |
2014年 | 27,385.8 | 1,331.2 |
2015年 | 28,750.8 | 1,320.7 |
2016年 | 29,846.2 | 1,311.2 |
2017年 | 31,324.1 | 1,289.3 |