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特別用途食品とは

公開日:2016年7月24日 03時00分
更新日:2021年2月24日 14時48分

特別用途食品とは1)2)3)

 特別用途食品とは、病気の人や、乳幼児、高齢者など、通常の食事を食べることが出来ない人のための特別な用途を目的とした食品です。特別用途食品については、健康増進法第二十六条で「販売に供する食品につき、乳児用、幼児用、妊産婦用、病者用その他厚生労働省令で定める特別の用途に適する旨の表示(以下「特別用途表示」という。)をしようとする者は、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。」1)と定められています。

 特別用途食品の種類は、大きく分けると、病者用食品、妊産婦、授乳婦用粉乳、乳児用調製粉乳、嚥下困難者用食品に分けられます(図1)。特定保健用食品も広い意味では特別用途食品にはいります。

図1:特別用途食品の分類図。特別用途食品の種類は、大きく分けると、病者用食品、妊産婦、授乳婦用粉乳、乳児用調製粉乳、嚥下困難者用食品に分けられる
図1:特別用途食品の分類図2)

 特別用途食品は、低タンパク質食品やアレルゲン除去食品のような認可基準があるものに関しては、その基準に適合しているか審査されて、消費者庁長官の認可を得ます。それ以外の認可基準がないものについては、認可のために個別に評価されます。認可を申請する際には、製品見本、商品名、原材料の配合割合及び当該製品の製造方法、成分分析表、許可を受けようとする特別用途表示の内容などを、厚生労働大臣に提出します。評価は、それぞれの特定の用途のために適する成分であるかどうかだけでなく、それ以外の栄養成分が十分に含まれているかといった観点からも、評価されます。

 たとえば、アレルゲン除去食の場合は、アレルゲンが十分に除去できているのかだけでなく、それ以外の栄養成分は同等の食品と変わらない程度に含有しているのかといったことも重要なポイントとなります。

 認可が得られると、特別用途食品であることを表示することができ、特別用途食品であることを示すマークをつけることができます(図2参照)。

図2:特別用途食品のマーク2)

 区分欄には、乳児用食品の場合は「乳児用食品」と、幼児用食品の場合は「幼児用食品」と、妊産婦用食品の場合は「妊産婦用食品」と、病者用食品の場合は「病者用食品」と、その他の特別の用途に適する食品の場合は、当該の特別用途が記載されています。

特別用途食品の種類3)

 特別用途食品のうち、病者用食品には、低タンパク食、アレルゲン除去食、無乳糖食品、総合栄養食品、およびその他があります(図1)。

 低タンパク食は腎臓疾患等を持つ人に適した食品で、主要なものはタンパク質含有量の少ない米飯です。

 また、アレルゲン除去食は特定の食物アレルギーの患者の人に適した食品ですが、ほとんどが牛乳アレルギー(ミルクアレルギー)患者用の調製粉乳や育児用ミルクです。

 無乳糖食品は乳糖不耐症又はガラクトース血症の患者さんに適した食品ですが、ほとんどが乳幼児用の調製粉乳で、多くがアレルゲン除去食と重複しています。

 総合栄養食品は、疾患等により通常の食事で十分な栄養を取ることが難しい人のための食品で、必要な栄養素をバランスよく含んでいます。

 そのほかの個別評価型の病者用の食品には、脱水時の経口補水液や潰瘍性大腸炎患者用の食品があります。

 妊産婦、授乳婦用粉乳および、乳児用調製粉乳は、妊産婦および授乳婦、または乳幼児用の粉ミルクです。

 嚥下困難者用食品の主要なものは、嚥下困難者の水分補給用のゼリーですが、えん下困難者用食品には、2018年4月からとろみ調整用食品が追加されることになりました。

 2017年8月10日の時点で、特定保健用食品を除き、特別用途食品の表示が許可されている食品は、54品目となっています。高齢化に伴い、咀嚼および嚥下機能が低下した高齢者も増加しており、また、食物アレルギーや、糖尿病や腎臓障害など食事療法が必要な病気の患者も増加しています。食品開発の分野でもさまざまな研究が進んでおり、今後は、これらの病気に対応するための新しい食品が開発され、特別用途食品の数も増加していくことが、期待されます。

参考文献

  1. 健康増進法 健康日本21(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  2. 特別用途食品について 消費者庁(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  3. 特別用途食品制度について 消費者庁(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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