カテキンの種類と効果と摂取量
公開日:2016年7月25日 03時00分
更新日:2023年8月 2日 14時41分
カテキン1)
カテキンはポリフェノールの一種で、主にお茶の苦渋味成分です。
カテキンの種類
ポリフェノールのフラボノイド系のフラバノール類にカテキンは分類されます。緑茶中の主なカテキンの成分はエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートなどの約4種類が含まれています。
緑茶抽出液中の主なカテキンの割合はエピガロカテキンガレートが約59.1%と最も多く、次いでエピガロカテキンが約19.2%、エピカテキンガレートが約13.7%、エピカテキンが約6.4%含まれています。
カテキンの健康への効果2)
- 抗酸化作用
- 抗ウイルス作用
- 抗ガン作用
- コレステロールを下げる作用
- 血糖の上昇を抑える作用
- 殺菌作用・抗菌作用
- 虫歯・口臭予防
- 肥満予防
抗酸化作用
活性酸素は毒性があり、体内の細胞を酸化させ、老化や病気の原因になります。抗酸化作用とは活性酸素を除去する働きで、老化や病気の予防に役立ちます。カテキンには毒性のあるスーパーオキシドや一重項酸素と言われる活性酸素を無毒化します。
抗ウイルス作用
カテキンは細菌にもウイルスにも効果があります。ウイルスは細胞の中で増殖します。インフルエンザなどのウイルスは体内に入ると、決められた細胞につく働きがありますが、カテキンを取り入れるとウイルスが細胞につきにくい状態になるので、細胞内で増殖できないため、結果的に風邪予防に役立ちます。
抗ガン作用3)
カテキンには活性酸素除去作用やがん細胞の抗突然変異抑制作用があります。さらにがん細胞の増殖を抑える働きもあるため、がん予防に役立ちます。
コレステロールを下げる作用
カテキン食事中のコレステロールの吸収を抑え排出を促す働きがあります。コレステロールにはLDL(悪玉)コレステロールとHDL(善玉)コレステロールの2種類がありますが、動脈硬化を引き起こし心筋梗塞や脳梗塞の原因になるのはLDLコレステロールです。カテキンを摂取することでLDLコレステロールのみが低下し、HDLコレステロールには影響しないので、動脈硬化の予防に役立ちます。
血糖の上昇を抑える作用4)
カテキンは食後、腸からの糖の吸収を抑える働きがあります。血糖値はご飯やパン、麺類など糖質を多く含む食品や菓子類、果物などで上がります。血糖値は食後に上昇するので、食前に取り入れることで、腸からの糖の吸収が緩やかになります。
殺菌作用・抗菌作用
カテキンには抗菌作用があるので食中毒の原因となるO-157(腸管出血性大腸菌)などの食中毒菌や胃潰瘍や胃がんの原因となるピロリ菌の増殖もおさえるので、食中毒予防や胃潰瘍予防に働きます。
虫歯・口臭予防
虫歯の原因はミュータンス菌が歯に付着し、酸をつくることで歯の表面のエナメル質が溶け、虫歯ができてしまいます。カテキンはミュータンス菌の増殖を抑えるので、虫歯予防ができます。
肥満予防5)
一定量のカテキンを摂取し続けると、肝臓での脂質代謝が高まり、エネルギー消費が高まるため、体脂肪が減少します。またカテキンを継続的に摂取し続けると、食事性脂肪の燃焼を上昇させ、食事誘発性体熱産生も上昇させます。食事誘発性体熱産生とは食事後の消化、吸収によって消費エネルギーのことです。消費エネルギーは基礎代謝、身体活動代謝、食事誘発体熱産生の3つがありますが、そのうち食事誘発体熱産生は消費エネルギー約10~15%です。内臓脂肪が多い人ほど、食事誘発体熱産生が低いので、カテキンの摂取により、消費エネルギーが増加し、肥満予防に役立ちます。
カテキンが多く含まれる食品
エピカテキンが含まれるもの
りんご、ブラックベリー、ソラマメ、さくらんぼ、ぶどう、梨、きいちご、チョコレートなどに含まれています。
カテキンを含む食品
大豆、抹茶、小豆、ココアなどに含まれています。
カテキンの摂取量
日本人の食事摂取基準にはカテキンの摂取目標量は設定されていませんが、毎日カテキンを摂り続けることで健康や病気の予防に役立ちます。無糖なので水分補給にオススメです。
茶カテキンの有効濃度は1日540mg以上を毎日摂り続けると脂肪燃焼に役立ちます。カテキン540mgは緑茶で湯呑10杯程度に相当します。カテキンはお茶の苦味渋み成分でもあるので、緑茶の茶葉から540mgを摂取するとかなり飲みにくい味です6)。