健康食品とは
公開日:2016年7月24日 05時00分
更新日:2023年8月 3日 14時16分
健康食品とは1)
健康食品または、健康補助食品、栄養補助食品、サプリメントという名称はよく耳にすると思います。実は、それらの用語は行政的に定義されているものではありません。一般的に、健康食品は、健康の保持や増進に効果のあるという趣旨の食品全般のことをさしますが、明確な定義がなく、通常の食材から、菓子・飲料、医薬品に似た錠剤・カプセル(いわゆるサプリメント)が含まれる場合もあります。
健康食品は図1に示すように、保健機能食品制度※1に基づき保健機能食品とそれ以外の健康食品に分けられます。保健機能食品には、機能性表示食品、栄養機能食品、および特定保健用食品の3種類があります。保健機能食品については、機能性や安全性を保障するためにきちんとした定義が定められています。健康食品のうち保健機能食品以外のものについては、保健機能食品と区別するために、いわゆる「健康食品」と呼ばれることもあります。
- ※1 保健機能食品制度:
- 保健機能食品制度は、「おなかの調子を整えます」「脂肪の吸収をおだやかにします」など、特定の保健の目的が期待できる(健康の維持及び増進に役立つ)食品の場合にはその機能について、また、国の定めた栄養成分については、一定の基準を満たす場合にその栄養成分の機能を表示することができる制度です2)。
健康食品の選び方3)
健康食品と呼ばれるものは、数多く市場に出回っていますが、どのような製品を選べばよいでしょうか。いわゆる「健康食品」については、厚生労働省などの政府機関で認可されているわけではないため、栄養成分や有効成分が表示通りきちんと含まれているのか、また、安全性に問題がないのか保証されているわけではありませんでした。
そこで、1985年に厚生労働省(当時の厚生省)の下で公益財団法人日本健康・栄養食品協会が設立されました。この公益法人により健康食品の規格基準の設定と認定制度が始められました。この制度の下で、医学・栄養学の専門家による認定健康食品認定審査会で認定された商品には、図2に示す認定健康食品のラベルをはることができるようになります。
また、厚生労働省は、いわゆる「健康食品」について個別の審査は行っていませんが、安全性を確保するために都道府県等から報告を受けた健康被害の事例を公表して注意を促しています(リンク1)。
リンク1 健康被害情報・無承認無許可医薬品情報 厚生労働省(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
サプリメントの使用方法4)
近年、サプリメントの使用が増加していますが、本当にサプリメントを飲む必要があるのでしょうか。栄養バランスに気を付けて通常の食事をしていれば、それほど極端に栄養バランスが偏ることはありません。まずは、本当に必要としているのかよく考えて、食事で補えるようであれば、サプリメントは使用せず、食事で補うようにしましょう。しかし、とくに食欲の減退傾向のある高齢者には、医師、管理栄養士の判断のもとに、欠乏のおそれのある栄養素などを含むサプリメントを活用したいものです。
また、錠剤やカプセルなどの形状が薬に似ていてもサプリメントは医薬品ではありません。病気にかかっている人がサプリメントを使用すると、病気の治療が遅れたり、かえって悪化させてしまったりする場合もあります。また、薬を服用している場合には、サプリメントと薬が思わぬ相互作用を示し、悪影響を及ぼすこともあるかもしれません。薬を飲んでいる場合は、サプリメントを服用する前に必ず主治医と相談しましょう。
サプリメントはあくまでも健康を補助するために飲むものです。サプリメントに頼らずに、可能なかぎりバランスの良い食事をとるように心がけましょう。