サポニンと効果と摂取量
公開日:2016年7月25日 00時00分
更新日:2022年2月 9日 14時54分
サポニンとは
水に溶かして良く混ぜると石鹸のような安定した泡を作ることからラテン語の石鹸を意味する「サポ」から名前がつきました。また天然の界面活性剤とも呼ばれています。
植物の根、葉、茎などに含まれていますが、特にマメ科の植物に多く含まれています。サポニンには苦味があり、コーヒーや抹茶の苦味が代表的です。サポニンの様々な効果は植物の種類によって異なり、健康づくりやダイエットへの効果が期待できます。
サポニンの効果
1.抗酸化作用
血液中の脂肪やコレステロールが活性酸素によって酸化されると、LDL(悪玉)コレステロールとなって、血管内に脂肪が蓄積されてしまいます。大豆サポニンには抗酸化作用があるため、活性酸素を除去し、脂肪の酸化を防いでくれます。
LDLコレステロールの蓄積を抑えることによって、動脈硬化を予防し、心筋梗塞や脳梗塞などの予防にも役立ちます。
2.免疫力向上
サポニンには免疫機能をつかさどるリンパ球の1種であるナチュラルキラー細胞を活性化し、ウイルスや細菌から体を守ります。サポニンは免疫力をアップする働きがあるので、インフルエンザや風邪などひきにくくなります。
3.肥満予防1)2)3)
腸で吸収されたブドウ糖が脂肪酸と合わさるのを防ぎ、余分な脂肪の蓄積を抑制します。脂肪の蓄積が予防できるので肥満予防になります。大豆サポニンにはアディポネクチンの分泌を促進する働きがあります。アディポネクチンとは脂肪細胞から分泌される物質で、動脈硬化や糖尿病を予防する働きがあります。またアディポネクチンには脂肪の燃焼を促進する働きもあります。
4.血流改善
高麗人参などに含まれるサポニンには、血栓が血液中にできにくくします。また毛細血管の血流を改善する働きもあります。血流が良くなると冷え症対策にもなります。
5.肝機能の向上
大豆サポニンには過酸化脂質を抑制する働きがあります。過酸化脂質は中性脂肪やコレステロールなどが活性酸素によって酸化されたものです。肝臓に脂肪が蓄積した脂肪肝の状態になると、肝臓の脂肪が酸化されてしまい、肝臓は炎症しやすくなり、肝機能も低下してしまします。
6.咳や痰を抑える
アマチャヅルには咳を抑える働き、桔梗サポニンには咳を抑え、痰を除去する働きがあります4)。
サポニンが多く含まれる食品
大豆・大豆製品などのマメ科の植物。高麗人参・田七人参・お茶・ごぼう・アマチャヅルなどの植物です。
食事から摂取しやすいものは大豆や大豆製品やごぼうです。大豆サポニンは高野豆腐、大豆、生揚げ、がんも、油揚げ、おから、豆乳、ゆば納豆ですが、1番多くサポニンを含んでいる食品は高野豆腐です。
ごぼうは皮の部分にサポニンが多く含まれているので、良く洗ってから皮をむかずに、そのまま調理すると効率よく摂り入れられます。
高麗人参、田七人参はサプリメントや健康食品、アマチャヅルはハーブティーとして利用できます。
サポニンの摂取量
サポニンは健康維持や病気の予防に役立つ成分ですが、食事摂取基準(2020年版)には摂取量は示されていません。大豆・大豆製品はサポニン以外にもたんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルも含んでいますが過剰摂取は栄養素のバランスが崩れてしまします。
大豆製品からサポニンを補う時は1日1~2回大豆製品を利用したおかずを取り入れます。
高麗人参や田七人参を健康食品やサプリメントから補う時は、1日の摂取量や薬との飲み合わせなど確認してからとり入れます。薬との飲み合せが心配の時は医師や薬剤師に相談します。
ごぼうは食事から摂取できますが、ごぼう茶を利用すると手軽に摂り入れられます。体調に合わせて飲む量は調節します。
アマチャヅルは神経の興奮やストレスを鎮静する働きや咳止めにも役立ちます。適量であれば安全性の高いハーブです。食品なので大量に摂取しても効果はありません。妊娠中や疾患がある方は医師に相談してからとり入れます5)。