食事バランスガイドの概要
公開日:2016年7月25日 14時00分
更新日:2019年2月 1日 16時17分
食事バランスガイドとは
食事バランスガイドとは、1日に、「何を」、「どれだけ」食べたらよいかを考える際の参考になるよう、食事の望ましい組み合わせとおおよその量をイラストでわかりやすく示したツールです。
健康で豊かな食生活の実現を目的に策定された「食生活指針」(平成12年文部省、厚生省、農林水産省決定)を具体的に行動に結びつけるものとして、平成17年に厚生労働省と農林水産省が作成しました。
食生活指針1)
- 食事を楽しみましょう。
- 1日の食事のリズムから、健やかな生活リズムを。
- 主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。
- ごはんなどの穀類をしっかりと。
- 野菜、果物、牛乳、乳製品、豆類、魚なども組み合わせて。
- 食塩や脂肪は控えめに。
- 適正体重を知り、日々の活動に見合った食事量を。
- 食文化や地域の産物を活かし、ときには新しい料理も。
- 調理や保存を上手にして無駄や廃棄を少なくする。
- 自分の食生活を見直してみましょう。
保健所や学校、病院などでバランスの良い食事やカロリーを計算するツールとして使用されるものは、「6つの基礎食品群」「4つの食品群(1点80kcal)」「糖尿病食事療法のための食品交換表」や「食品成分表」です。
これらのツールは各食材を栄養素別に分類し、バランスを整える方法やカロリー計算をするものなので、普段食べている料理ではイメージしにくく、カロリー計算ができないものもあります。
しかし、食事バランスガイドは1日に「何を」、「どれだけ」食べたらよいかをイメージできるように、食事の理想的な組み合わせとおおよその量を図のようにコマのイラストで表したツールなので、家庭の食事だけでなく、外食の時にもあてはめて使用できるため、1日のバランスを整えやすくなります。
食事バランスガイドのイラストの意味
食事バランスガイドは、1日「何を」「どれだけ」食べるのかを手助けしてくれるツールです。「何を」は食卓の料理をざっくり分けて「区分」で示しています。「どれだけ」はおおよその量を「つ(sv)」という単位で示しています。そして「何を」「どれだけ」のバランスをコマに見立てています。
食事バランスガイドによると、細かいカロリー計算をしなくても、5つの区分を万遍なく取り入れることで、1日に必要な摂取カロリーをバランス良く補うことができます。
また、食事の理想的な組み合わせと量のイメージをコマの形にすることで、食事のバランスが崩れると、コマのバランスが崩れ、倒れてしまうことがわかりやすいので、栄養素の過不足の調整もしやすくなります。
イラストに1つずつ意味があり、土台となる部分は上から、主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物と5つの区分に分かれています。
水とお茶はコマを回す軸の部分で表しています。これは水分も人が生きていくためには欠かせない構成要素であるためです。料理や飲料として食事や食間にしっかりとり入れることが必要なので、コマの軸になっています。
ヒモの部分は菓子や嗜好飲料を表しています。菓子や嗜好飲料は食生活の楽しみの部分でもあるので、バランスを考えて適度に摂ることが大切です。
人がコマの上を走っているのは運動を表しています。「コマが回転する」=「運動する」ことによってはじめて安定します。健康づくりのためには栄養バランスのとれた食事と適度な運動を取り入れることが大切です。
「どれだけ食べれば良いか目安の「つ(SV)」とは」
食事バランスガイドは、毎日の食事を主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の5つに区分し、区分ごとに「つ(SV)」という単位を用いています。
SVとはサービング(料理の量の単位)の略で、食事バランスガイドの独自の数え方です。
5つの区分ごとに1つ(SV)の目安となる量が決められているので、料理に対して1つ(SV)、2つ(SV)と数えていきます。
「つ(SV)」の数え方の基本
主食
- 1つ(SV) おにぎり1個、食パン1枚、ロールパン2個
- 1.5つ(SV) ご飯普通盛り1杯
- 2つ(SV) 穀類、パスタ1人前
副菜
- 1つ(SV) 小鉢の野菜料理1皿、サラダ1皿
- 2つ(SV) 中皿の野菜料理
主菜
- 1つ(SV) 卵1個の料理、納豆1パック、豆腐半丁
- 2つ(SV) 魚料理1人前
- 3つ(SV) 肉料理1人前
牛乳・乳製品
- 1つ(SV) ヨーグルト1個、チーズ1切れ
- 2つ(SV) 牛乳瓶1本
果物
- 1つ(SV) 小さい果物1個
- 2つ(SV) 大きい果物1個
この基準を応用すると、さまざまな料理でも「つ(SV)」に換算できます。「つ(SV)」の数え方は、農林水産省は、広く一般に食べられている代表的な料理の「つ(SV)」の数を早見表として公開していますので参考にしてください(リンク1)。
食事バランスガイドは誰でも使えるツールですが、糖尿病や腎臓病などで食事指導などを受けている方は、医師や管理栄養士などに相談した上で活用してください。
なお、農林水産省は「食事バランスガイド」の普及のために作成した解説書など、食生活の改善の参考となる資材を農林水産省のウェブサイトに掲載しております。日々の食生活の見直しや、食育活動に「食事バランスガイド」を取り入れる際にご活用ください(リンク2)。
リンク2: 「食事バランスガイド」教材 農林水産省(外部リンク)