サプリメントの定義と正しい利用法
公開日:2016年7月25日 21時28分
更新日:2023年8月15日 14時03分
サプリメントとは
サプリメントとは、健康食品に分類される食品で、健康食品もサプリメントも法律上の定義はなく、健康の維持増進のために利用されています(図)。
サプリメントはビタミンやミネラルなど健康の維持増進に役立つ特定の成分を濃縮し錠剤やカプセル状にしたものです。
アメリカではDietary Supplementを「従来の食品・医薬品とは異なるカテゴリーの食品で、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、ハーブ等の成分を含み、通常の食品と紛らわしくない形状(錠剤やカプセルなど)のもの」と定義しています1)。
サプリメントの種類
サプリメントは各社メーカーからいろいろな種類が数多く販売されています。サプリメントは役割や目的によって大きく3種類に分類されます。
ベースサプリメント
ベースサプリメントは、体に必要なビタミンやミネラル、アミノ酸、食物繊維、DHAやEPAなどを補います。ビタミンはビタミンB1やビタミンB2、ミネラルは鉄や亜鉛など単体で販売されるものや、ビタミンを全て含んでいるマルチビタミンという形で販売されることもあります。
ヘルスサプリメント
ヘルスサプリメントは、健康維持や美容などのために利用するイソフラボン、ローヤルゼリー、プロポリス、セサミン、カテキンなどがあります。
オプショナルサプリメント
オプショナルサプリメントは、ウコン、マカ、ブルーベリー、グルコサミンなどは体調の回復のために利用されます
サプリメントの利用目的
サプリメントの利用目的は健康の維持・増進や病気の予防、食事で不足している栄養素の補給や強化、疲労回復、美容やダイエットなど性別や年齢により目的は様々です。さらに約5%は医薬品ではないですが、病気の治療目的に使用しています。
サプリメントの利用状況2)3)
サプリメントの利用状況は年々増加し、最近では約3割の人が毎日サプリメントを利用している状況です。また以前サプリメントを利用したことがある方は約8割もいます。さらに大人だけでなく、子供用のサプリメントもあり、身体の成長や脳の発達のために、約8~10%程度の親が子どもにサプリメントを与えています。
サプリメントの正しい利用法4)
サプリメントの情報はTVや雑誌、インターネットなどで情報が氾濫しています。まずは購入する前に、ご自分に本当にサプリメントが必要か考えてみます。
サプリメントの利用の前に、まずは毎日の食事から野菜、果物、乳製品、魚などを食品から取り入れるようにします。そのためには栄養バランスの良い食事を心がけ、食事内容や食生活事態を見直します。
サプリメントを購入する際には成分名、含有量、問い合わせ先を確認します。特に健康面の安全性や有効性を判断するためには含有量が必要です。サプリメントは食品に分類されていますが、ビタミンやミネラルなど1度に多種類のサプリメントを摂取すると健康被害の可能性が高くなり、被害の原因究明も難しくなります。何種類か摂取している場合は、同じ成分が重複していることもあり、過剰摂取による体調不良も引き起こします。
サプリメントを使用する際は、服薬中の薬との飲み合わせを確認します。サプリメントの形状は薬に似ていますが、薬とは別物です。サプリメントの利用によって病気の治癒が遅れたり、症状が悪化することもあります。
サプリメントは食品ではありますが、薬のような副作用がないわけではありません。サプリメントを利用するときは、どこのメーカーをいつ、どのくらい飲んだかなどをメモし、体調が悪くなったときは、すぐ使用を中止し、医療機関や保健所へ報告します。
また三七人参、ローヤルゼリー、ウコン、スピルリナなど天然のものでもアレルギーを引き起こすこともあります。表示に天然・自然の素材と記載されていても安全、安心とは限りません。
サプリメントを摂取しても良い実感がないときは、思い切ってサプリメントを止めてみることも大切です。
サプリメントの上手な活用方法は、サプリメントを利用しながら生活習慣や食生活も一緒に見直していくことです。
参考文献
- 「幼児にサプリメントは必要ですか?」 国立健康・栄養研究所 情報センター 健康食品情報研究室