セノリティックCAR-T:老化した細胞を殺す戦略
公開日:2020年10月30日 09時00分
更新日:2024年8月16日 16時33分
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新型コロナに限らずともどのような状況下にも免疫系は体内の監視役として機能する。いわゆる癌免疫ではたらくキラーT細胞に類似した細胞を、殺したい細胞のキメラ表面抗原の受容体(CAR)で加工してやれば、それを選択的に殺すT細胞、つまりCAR-Tができる。体内の老化細胞にはある種の表面抗原があるので、それを狙ったT細胞にすれば体内の老化細胞を選択的に除去できる。いわば若年化のクリーニングシステムを移植するようなものだ。これを導入したマウスは少なくとも肝機能は改善するので、今後種々の老年性疾患へのCAR-T療法が可能となるかもしれない。米国ニューヨークのスローンケッタリング癌研究所からの報告である。
文献
Amor C, et al. Nature. 2020;583:127-132
転載元
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