アルツハイマー病脳の老人斑を構成するAβ線維の構造
公開日:2018年1月13日 09時37分
更新日:2022年12月 2日 14時16分
2017年のノーベル化学賞は、溶液中の生体分子の構造解析を可能にしたクライオ電子顕微鏡の開発者に贈られた。この近年急速に発展した技術で、アルツハイマー病の発症の要因となるAβの線維構造の詳細が明らかとなった。過去に複数の手法で得られた結果と異なり、両端がL、S型に曲がったAβ分子が対称に向かい合い、それが重なるようにして不溶性線維が構成されていた。Aβの凝集は神経細胞毒性と密接に関わることから、その構造解析は、患者脳で生じる変化を解明する重要な手がかりとなると期待される。
文献
Gremer L, et al. Science 2017;358:116-119
転載元
公益財団法人長寿科学振興財団発行 機関誌 Aging&Health No.84