健康長寿ネット

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最大酸素摂取量

公開日:2016年7月25日 14時00分
更新日:2019年2月 1日 18時25分

最大酸素摂取量とは

 私たちは呼吸をすることで酸素を体内に取り入れ、酸素を利用して糖や脂質を分解することで運動エネルギーを作りだしています。運動強度が高くなったり運動継続時間が長くなったりしても、体内に十分な酸素を取り入れ利用することができる能力が全身持久力です。そのため最大酸素摂取量は全身持久力の指標として用いられます。

 最大酸素摂取量は1分間に体重1kgあたり取り込むことができる酸素の量(ml/kg/分)を示し、「VO2max」(Volume〔量〕、O2〔酸素〕、max〔最大値maximum〕)と略記されます。

最大酸素摂取量の平均

 最大酸素摂取量は一般的に女性より男性の方が高く、男女とも加齢に伴い低くなる傾向があります。「健康づくりのための運動基準2013」(厚生労働省)では、性・年代別の基準値が定められています(表)1)。ここでは、男性は18~39歳で39 ml/kg/分、40~59歳で35 ml/kg/分、60~69歳で32 ml/kg/分、女性は18~39歳で33ml/kg/分、40~59歳で30 ml/kg/分、60~69歳で26 ml/kg/分となっています。

表:性・年代別の全身持久力の基準
表に示す強度での運動を約3分以上継続できた場合、基準を満たすと評価できる。
年齢18~39歳40~59歳60~69歳
男性

11.0メッツ

(39ml/kg/分)

10.0メッツ

(35ml/kg/分)

9.0メッツ

(32ml/kg/分)
女性

9.5メッツ

(33ml/kg/分)

8.5メッツ

(30ml/kg/分)

7.5メッツ

(26ml/kg/分)

注)表中の( )(かっこ)は最大酸素摂取量を示す

最大酸素摂取量の測定の目的・意義

 最大酸素摂取量は全身持久力の指標として用いられます。シャトルランや6分間歩行など体力測定の測定項目は相対的な評価であるのに対し、最大酸素摂取量の測定は絶対的な評価となり、より詳細で適切な評価をすることが可能といえます。

写真:呼気ガス分析法による最大酸素摂取量の測定

最大酸素摂取量の測定方法

 運動時にどれだけの酸素を取り入れ利用したかを測定する方法に、「呼気ガス分析法」があります。呼気ガス分析法では専用の採気用マスクを着用しながら、トレッドミルや自転車エルゴメータで徐々に負荷を高めて実施します。酸素摂取量は時間の経過や運動強度が高くなるにつれて徐々に増加していきます。ある程度の運動強度まで達した時に酸素摂取量の増加がみられなくなり、それがその人の最大酸素摂取量を意味します。

最大酸素摂取量を向上させるには

 最大酸素摂取量は全身持久力の指標となるので、最大酸素摂取量を高めるには全身を使って一定時間動き続ける有酸素運動が効果的です。

 有酸素運動の代表例として、ウォーキング、ジョギング、ランニング、自転車、踏み台昇降、水泳があります。その他にもダンスや球技など、心拍数が上がった状態で一定時間運動を行うことで全身持久力を向上させることができます。

 また、最大酸素摂取量は除脂肪体重と関連します。そのため有酸素運動に筋力トレーニングをプラスすることでさらなる効果が期待できます。

最大酸素摂取量の測定はどこで受けられるか

 最大酸素摂取量の目安となる全身持久力の測定方法には20mシャトルラン(往復持久走)、踏み台昇降運動、6分間歩行テスト、12分間歩行テストがあり、その実施方法や判定基準は「新体力テスト実施要項」(文部科学省)で解説されています2)。そのため特別な施設でなくても自分で測定環境を整えられればどこでも実施可能です。

 最大酸素摂取量を正確に測定してほしい場合は、呼気ガス分析装置を装着して分析を行います。一般的な体育館や体育施設には呼気ガス分析装置が無いことの方が多いので、研究施設や主要な国立や県立の体育センターに問い合わせる必要があります。

参考文献

  1. 健康づくりのための身体活動基準2013 厚生労働省(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  2. 新体力テスト実施要項 文部科学省(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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