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軟菜食の作り方のポイント・おすすめレシピ

公開日:2016年7月25日 01時00分
更新日:2019年2月 1日 17時42分

軟菜食の定義

 軟菜食は普通の食事メニューとほとんど変わりませんが、食べやすいように柔らかく煮る、舌でつぶせる固さや歯ぐきで噛める固さに大きさや柔らかさを調整します。

 軟菜食は歯の欠損や義歯が原因で、固い食べ物がかめない人、胃腸が弱くて、揚げ物やコッテリした肉料理などの油っこい料理を食べると調子が悪くなる人、脳梗塞の後遺症などで、手が不自由で、箸で上手く使えない人は、軟菜食がおすすめです。

 軟菜食の主食はお粥の濃度(固さ)により、3分粥、5分粥、7分粥、全粥があります。また、主食に合わせて、主菜、副菜も脂肪が少なく、繊維質が少ない食材を利用して調理します。

軟菜食の作り方のポイント・注意点

軟菜食の作り方のポイント

軟菜食に適した調理方法

  1. 野菜は繊維に対して直角に包丁を入れます(繊維が短くなるので噛みやすくなります)。
  2. ごまやピーナッツなど義歯の間に入り込みやすいものは、よくすりつぶして使います。
  3. 肉類はしゃぶしゃぶ用の薄切り肉や挽肉を使用します。
  4. りんごや柿など固い果物は、スライスするかコンポートにし、柔らかく煮ます。
  5. トマトやナスなど皮が固いものはピーラーで剥きます。

高齢者が食べやすい食材を利用する

お粥状の物を主食にする

 お粥、パン粥、柔らかく煮込んだうどんは柔らかいので舌や歯ぐきでつぶせる固さです。

乳化されたもの

 ヨーグルトやアイスクリームは口当たりが滑らかなので、食べやすいです。

ポタージュ状のもの

 ポタージュスープやシチュー、カレーなどはとろみがついているのでなめらかで、飲み込みやすいです。誤嚥しにくいです。

ネクター状のもの

 生の果物や缶詰の果物はそのもののままだと固くて食べにくいですが、果物の缶詰をミキサーにかけるとピューレ状になり、柔らかくで食べやすいです。

とろろ状のもの

 すりおろしたとろろは噛まずに食べられます。

ゼリー状のもの

 ゼリーや水ようかん、煮こごりなどは柔らかく口どけが良いので食べやすいです。体温で溶けるので、口の中で残らず安全です。

プリン状のもの

 プリン、ムース、卵豆腐、茶碗蒸しなど口当たりも良く滑らかで食べやすいです。卵や牛乳を使用するため、たんぱく質も補え、栄養価も高いです。

ミンチ状のもの

 柔らかい肉団子、つみれ、つくね、ハンバーグなどは挽肉を使用するので、固い肉のように食べにくくありません。


 穀類、芋類、豆腐、根菜類(ごぼうは除く)、卵、魚、挽肉など調理をすることで柔らかくなり、噛みやすい食材を利用します。また圧力鍋で煮る、蒸し器で蒸すと柔らかく仕上がります。

軟菜食の作り方の注意点

 食べにくい食材の使用は控えます。また皮やすじなど固い部分はきちんと取り除いてから調理します。

軟菜食に控えた方が良い食材や味付け

生野菜

 きゅうりや千切りキャベツ、レタスなど固い生野菜は食べにくいです。茹でるなどして食べやすくします。

食物繊維の多い野菜

 ごぼう、たけのこ、セロリ、もやし、青菜の茎の部分は繊維が口の中に残るため食べにくいです。繊維を断って切るか、たけのこや青菜は穂先の柔らかい部分を使用するようにします。

スポンジ状の食品

 がんも、凍り豆腐などスポンジ状のものは口の中の水分を吸収するので食べにくいです。

かんきつ類や酢の物

 かんきつ類や酢の物、酢味噌和えなど酸味がきいている料理はむせ込みやすく食べにくいです。

硬い食品、薄くてペラペラな食品

 煎餅、厚みのある肉、りんご、梨、柿、フライなどの衣やハム、かまぼこなどの薄くてぺらぺらなものは、硬くて噛みにくいです。

ぽそぽそした食感の料理

 粉吹き芋、ふかし芋、焼き魚、チャーハン、そぼろなど口の中でパラパラしてしまい、まとまりにくい料理やぽそぽそした食感は飲み込むときに塊にしにくいです。

のり、わかめ、きなこ、もち

 のりやわかめ、きなこ、もちなどは喉に詰まりやすく、口の中に張り付くので上手に飲み込みができません。

さらさらした液体

 水、お茶、味噌汁、すまし汁などさらさらした液体は口の中でまとまりにくく、喉へ流れ込みやすいので誤嚥しやすいです。


 これらの食材、料理の食べにくさは個人差があります。唾液の分泌量や歯の状態など口腔内の状態によって異なります。食べにくい食材や料理を控えることで誤嚥を防ぎ、安全に食事を摂ることができます。

 また食べにくい食材は、食事の摂取量が減る他、食欲の低下も招き、栄養素がしっかり補いきれず、栄養状態が悪くなってしまいます。

軟菜食のおすすめレシピ

レシピ1 たらのおろし煮

材料(2人分)

  • たら     2切れ
  • 大根     60g
  • だし汁    1カップ
  • みりん    小さじ1
  • 酒      小さじ1
  • しょう油   大さじ1/2
  • 片栗粉    小さじ1

作り方

  1. 鍋にだし汁、みりん、酒、しょう油を入れ沸騰したらたらを入れます。
  2. 大根は皮をむき、大根おろしにします。
  3. たらが煮えたら、大根おろしを入れ、大根に味がつくように混ぜます。
  4. 沸騰したら、水溶き片栗粉でとろみをつけ、お皿に盛り付けます。

レシピ2 里芋の味噌田楽

軟菜食のおすすめ献立「里芋の味噌田楽」 軟菜食の作り方は、食べやすいように柔らかく煮て、舌でつぶせる固さや歯ぐきで噛める固さに大きさや柔らかさを調整します。

材料(2人分)

  • 里芋     6個
  • 赤みそ    大さじ1
  • 砂糖     大さじ1/2
  • みりん    小さじ1
  • 水      大さじ1

作り方

  1. 里芋は皮をむき、柔らかくなるまで茹でます。
  2. 鍋に赤みそ、砂糖、みりん、水を入れ、弱火で混ぜ合わせます。
  3. 里芋を食べやすい大きさに切り、お皿に盛り付けみそだれをかけます。

レシピ3 かぶのそぼろあんかけ

軟菜食のおすすめレシピ「かぶのそぼろあんかけ」

材料(2人分)

  • かぶ      2個
  • 鶏挽肉     60g
  • 料理酒     大さじ1
  • 生姜汁     小さじ1/2
  • 砂糖      小さじ2
  • しょう油    大さじ1/2
  • だし汁     1カップ
  • 片栗粉     小さじ1
  • 水       大さじ1

作り方

  1. かぶは皮をむき、6等分に切ります。
  2. 鍋にだし汁を入れ、かぶが少し柔らかくなるまで煮ます。
  3. 別の鍋に鶏挽肉を入れ、料理酒、生姜汁を入れて、ぽろぽろになるまで火を通します。
  4. 2に3を入れ、砂糖、しょう油を入れて煮る。味がしみたら、水溶き片栗粉でとじます。

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