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蛋白尿

公開日:2016年7月21日 10時00分
更新日:2019年2月 1日 19時41分

蛋白尿の原因

 蛋白尿は、健康診断やかかりつけの医師などを受診した際に行われる尿検査で簡便に調べられます。

 蛋白尿の原因としては、急性腎炎や慢性腎炎などの腎臓に限局した病気と、糖尿病、膠原病、高血圧など全身の病気の一部として腎臓に障害が起きる場合があります。

 原因によって治療法が異なりますので、正確な診断が必要になります。蛋白尿が多い人ほど、透析を必要とするような腎不全に至る危険性が高くなります。

蛋白尿の検査

 蛋白尿陽性の場合、次のような手順で検査を進めてゆくのが標準的です。

 まず、検尿を繰り返し行って、蛋白尿が持続しているかどうかをみます。運動や発熱などでは一時的に尿タンパクが陽性になることがありますが、腎臓病の場合には持続するのが一般的です。

 次に、蛋白尿の程度を検査します。通常の尿検査(試験紙法)でも蛋白尿の程度をある程度判断できますが、尿量が多いか少ないかで結果が大きく変化するため、蛋白尿の程度を正確に評価できません。

 尿を24時間ためて(蓄尿といいます)、その中に含まれるタンパクの量をはかるのが最も正確です。

 また、最近では、1回の採尿で蛋白尿の程度をある程度正確に測定する方法を用いる腎臓専門医が増えています。

中程度以上の蛋白尿の持続は慢性の腎臓病

 正常では1日の尿タンパクの量は0.1グラム以下です。0.5グラム以下は軽度、0.6から3.4グラムまでは中程度、3.5グラムを超えると高度というように大まかに分けています

 中程度以上の蛋白尿が持続する人は、ほぼ確実に慢性の腎臓病があると言えますので、かかりつけの医師と相談の上、腎臓専門医を受診するようにしましょう。

 特に高度の蛋白尿がある人は、身体がむくんだりしていることも多く見られます。腎臓病の中でも比較的程度の重いネフローゼ症候群という状態が強く疑われますので、腎臓専門医への受診が必要です。

血液検査・腎生検

 蛋白尿が持続する場合には、血液検査を同時に行うのが一般的です。血液検査では腎臓の働きが大まかに判ります。詳しいことは『腎不全(リンク3参照)』の項をご覧下さい。以上の検査を総合して、さらに詳しい検査(腎生検)を行う必要があるかどうかを腎臓専門医が判断します。

 腎生検という検査は、背中から腎臓に細い針を刺して腎臓の組織を採取し、それを顕微鏡で詳しく調べる検査です。腎生検により、蛋白尿の原因や腎臓病の種類がより正確に診断でき、治療法を選択する際の判断材料になります。

蛋白尿の治療

 蛋白尿の治療法としては、原因となる全身病がはっきりしている場合にはまずそれを治療します。

 例えば糖尿病が原因で腎臓が悪くなり蛋白尿が出た場合には、糖尿病の治療をまず行います。

 腎炎の場合には、副腎皮質ホルモンや免疫抑制薬などを使って治療をすることがあります。副作用もありますので、これらの薬を使うか否かは、腎生検による正確な診断に基づいて決定する必要があります。

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