任意事業とは
公開日:2019年2月13日 08時35分
更新日:2019年2月13日 13時27分
地域の実情に応じて実施される任意事業とは
任意事業とは、地域支援事業の理念にかなった事業が、地域の実情に応じ、市町村独自の発想や創意工夫した形態で実施されます。実施主体は、市町村です。任意事業は制度の趣旨に合致すれば多様な事業展開が可能です。いくつかの内容を紹介します。
1.介護給付等費用適正化事業
利用者に適切なサービスが提供される環境の整備、介護給付金の適正化が図られます。提供されているサービスが必要不可欠なものかどうか検証すること、利用者に向けた介護保険サービスの適正な利用促進に関する広報・啓発を行うこと、ケアプランのチェックなどにより把握された、不必要、不適切なサービス提供に対する改善指導を行います。各種専門職が情報を共有するための連絡協議会の開催等があります。具体的には、以下のような事業が認められています。
- 認定調査状況チェック
- ケアプランの点検
- 住宅改修等の点検
- 医療情報との突合・縦覧点検
- 介護給付費通知
- 給付実績を活用した分析・検証事業
- 介護サービス事業者等への適正化支援事業
2.家族介護支援事業
介護教室の開催
要介護高齢者の介護をしている家族等を対象に、適切な介護知識・技術の習得についての講座が開催されます。
認知症高齢者見守り事業
地域における認知症高齢者の見守り・支援体制づくりのための事業が実施されます。
認知症に関する正しい知識を地域に広め、偏見や誤解を解消するための広報・啓発を行います。高齢者の徘徊先を早期発見できるシステムの導入や運用を行う。認知症に関する知識を有するボランティア等による見守りのための訪問活動が行われます。
家族介護継続支援事業
介護にあたっている家族等の身体的・精神的・経済的負担を軽減するための事業が行われます。例えば、次のような事業です。
- 健康相談・疾病予防等事業:要介護被保険者を現に介護する者に対するヘルスチェックや健康相談の実施による疾病予防、病気の早期発見等を行うための事業
- 介護者交流会の開催:介護から一時的に解放するための介護者相互の交流会等を開催するための事業
- 介護自立支援事業:介護サービスを受けていない中・重度の要介護者を現に介護している家族を慰労するための事業
3.その他の事業
- 成年後見制度利用支援事業
- 福祉用具・住宅改修支援事業
- 地域自立生活支援事業
- 高齢者の安心な住まいの確保に資する事業
- 介護サービスの質の向上に資する事業
- 地域資源を活用したネットワーク形成に資する事業(配食・見守り等)
- 家庭内の事故等への対応の体制整備に資する事業
成年後見制度利用支援事業
市町村に申し立てる場合の成年後見の申し立てに要する経費や成年後見人等の報酬の助成を行います。
福祉用具・住宅改修支援事業
福祉用具・住宅改修に関する相談・情報提供、住宅改修費に関する助言のほか、住宅改修費支給の理由書を作成した場合の経費が助成されます。
ただし、2018年度の介護保険法の一部改正により、「以下の点について検討がなされていること」が、任意事業実施の要件に加わりました1)。
- 高齢者の個別の状態を踏まえて適切に用品を支給する取組を行っていること
- 地域包括支援センターの運営や任意事業における各事業の課題を把握し、その対応方針を検討していること
- 各事業の課題を踏まえ、低所得世帯等への影響も考慮しつつ、任意事業としての介護用品の支給に係る事業の廃止・縮小に向けた具体的方策を検討していること
地域自立生活支援事業
見守り等の援助が必要な高齢者が自立した生活を継続できるよう、地域の関係機関、ボランティア、それらのネットワークなど社会資源を活用しながら、地域の実情に応じた支援が行われます。例えば、次のような事業です。
- 高齢者住宅への生活援助員等の派遣をすること。
- 介護相談員の活動を支援すること。
- 栄養改善が必要な高齢者を対象に配食サービスを行うことで、定期的・継続的に安否確認をし、必要に応じて地域包括支援センター等に報告すること。