一般介護予防事業とは
公開日:2019年2月13日 09時15分
更新日:2019年6月27日 14時30分
一般介護予防事業とは
一般介護予防事業は、市町村の独自財源で行う事業や地域の互助、民間サービスとの役割分担を踏まえつつ、高齢者を年齢や心身の状況等によって分け隔てることなく、住民運営の通いの場を充実させ、人と人とのつながりを通じて、参加者や通いの場が継続的に拡大していくような地域づくりを推進するとともに、地域においてリハビリテーション専門職等を活かした自立支援に資する取組を推進し、要介護状態になっても、生きがい・役割をもって生活できる地域の実現を目指すことを目的としています。
一般介護予防事業の対象者
一般介護予防事業の対象者は、第1号被保険者の全ての者及びその支援のための活動に関わる者が対象となります。
一般介護予防事業の構成
一般介護予防事業は、介護予防把握事業、介護予防普及啓発事業、地域介護予防活動支援事業、一般介護予防事業評価事業、地域リハビリテーション活動支援事業の5つで構成されています。
1. 介護予防把握事業
地域の実情に応じて収集した情報等の活用により、閉じこもり等の何らかの支援を要する者を把握し、介護予防活動へつなげる
2. 介護予防普及啓発事業
介護予防活動の普及・啓発を行う
3. 地域介護予防活動支援事業
地域における住民主体の介護予防活動の育成・支援を行う
4. 一般介護予防事業評価事業
介護保険事業計画に定める目標値の達成状況等の検証を行い、一般介護予防事業の事業評価を行う
5. 地域リハビリテーション活動支援事業
地域における介護予防の取組を機能強化するために、通所、訪問、地域ケア会議、サービス担当者会議、住民運営の通いの場等へのリハビリテーション専門職等の関与を促進する
一般介護予防事業の内容
1. 介護予防把握事業
「基本チェックリスト」を用いて、高齢者が定期的に自分の健康状態を把握するようにしていき、地域住民主体の介護予防活動へつなげていきます。
また、必要に応じて、保健師等による訪問も行います。
2. 介護予防普及啓発事業
介護予防の基本的な知識を普及啓発するため、市町村がパンフレットの作成配布や講座等を開催し、地域における自主的な介護予防の活動を支援していくものです。
- 介護予防に資する基本的な知識を普及啓発するためのパンフレット等の作成及び配布
- 介護予防に資する基本的な知識を普及啓発するための有識者等による講演会や相談会等を開催
- 介護予防の普及啓発に資する運動教室等の介護予防教室等を開催
- 介護予防に関する知識又は情報、各対象者の介護予防事業の実施の記録等を管理するための媒体を配布
介護予防普及啓発事業の具体例
運動を主体に指導する教室呼称は、地域によって異なりますが、たとえば「すこやかシニア体操」、「お達者元気教室」、「筋肉スタジオ」などの名称で、介護予防リーダー(市民ボランティア)、理学療法士などの指導のもとで、簡単なリズム体操、軽体操、筋力アップや転倒予防の運動教室、ストレッチ、イスに座ってできるエクササイズ、ストレッチ、ダンベル、セラバンドなどを用いて筋力アップを目的とした介護予防のための運動を行います。
3. 一般介護予防事業評価事業
一般介護予防事業を始めとした総合事業の利用実績を介護保険システムに取り込み、事業参加した方の要介護認定移行状況等の統計をとり、事業の効果を評価できるような仕組みについて検討します。
4. 地域リハビリテーション活動支援事業
地域包括ケアシステムの構築を推進するためには、地域におけるリハビリテーション、介護予防の取り組みを機能強化する必要があります。市町村及び地域包括支援センターと協力し、地域ケア会議、住民運営の会の場、通所、訪問、サービス担当者会議等へのリハビリテーション専門職の関与を促進していきます。
リハビリテーション専門職等
リハビリテーション専門職等(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)は、通所、訪問、地域ケア会議、サービス担当者会議、住民運営の通いの場等の介護予防の取組を地域包括支援センターと連携しながら総合的に支援していきます。
地域ケア会議
地域ケア会議は、地域包括支援センターまたは市町村が主催し、設置 ・ 運営する「行政職員をはじめ、地域の関係者から構成される会議体」と定義されています。そして、地域ケア会議の構成員は、「会議の目的に応じ、行政職員、センター職員、介護 支援専門員、介護サービス事業者、保健医療関係者、民生委員、住民組織等の中から、必要に応じて出席者を調整する」とされています。
リハビリテーション専門職等が定期的に関与することにより、自立支援のプロセスを会議参加者全員で共有し、個々人の介護予防ケアマネジメント力の向上につなげます。
住民運営の通い場
住民運営の通いの場にリハビリテーション専門職等が定期的に関与することにより、要介護状態になっても参加し続けることのできる通いの場を地域に展開していきます。