地域リハビリテーション活動支援事業とは
公開日:2019年2月13日 08時50分
更新日:2019年2月13日 13時19分
リハビリテーション専門職の関与を促進する地域リハビリテーション活動支援事業とは
地域リハビリテーション活動支援事業とは、「一般介護予防事業」の1つであり、地域における介護予防を機能強化するために、通所、訪問、地域ケア会議、サービス担当者会議、住民運営の通いの場等へのリハビリテーション専門職等の関与を促進することを言います。
2013年11月に掲示された新しい総合事業の中の介護予防機能を強化するためにリハビリ専門職等を活かした自立支援に資する事業として「地域リハビリテーション活動支援事業」が打ち出され、2017年までに全国で展開されています1)。
- リハビリテーション専門職等が、地域ケア会議やサービス担当者会議に定期的に関与することにより、日常生活に支障のある生活行為の要因、疾患の特徴を踏まえた生活行為の改善の見通し、要支援者等の有する能力を最大限に引き出す方法等について、検討しやすくなります。
- リハビリテーション専門職等が、住民運営の通いの場に定期的に関与することにより、身体障害や関節痛があっても継続的に参加することができる運動法の指導、認知症の方への対応方法等を世話役に指導、定期的な体力測定等について実施し、要介護状態になっても参加し続けることのできる通いの場を地域に展開できます。
- リハビリテーション専門職等が、通所や訪問に定期的に関与することにより、日常生活に支障のある生活行為を改善するための効果的な運動プログラムの提案、介護職等への助言等を実施し、通所や訪問における自立支援に資する取り組みを促すことができます。
地域リハビリテーション活動支援事業の対象者
地域リハビリテーション活動支援事業の対象者は、要支援者及び介護予防・生活支援サービス事業対象者のうち地域包括支援センターが行うスクリーニングにより選出された者であり、本人の同意が得られた方へ実施をしています。しかし、事業はまだ始まったばかりで、市町村によって対象者の条件は異なることもあります。
地域リハビリテーション活動支援事業の内容
地域リハビリテーション活動支援事業の主な内容は、アセスメント(課題抽出)時の同行訪問、サービス担当者会議への出席、モニタリング時の随時相談、評価時の同行訪問となります。
- アセスメント(課題抽出)時の同行訪問では、リハビリ専門職が利用者宅を訪問し、リハビリ専門職からの専門的助言を行います。これによりリハビリテーションの視点を取り入れたアセスメントがなされるため、利用者の生活課題をより適切かつ明確に把握することができ、課題の解決に向けた利用者の日常生活に即した具体的でかつ実現可能性の高いケアプランの作成につなげることができます。
- サービス担当者会議への出席では、リハビリ専門職がサービス担当者会議に同席し、ケアプランの検討にリハビリテーションの視点を加えます。これにより課題解決に向けたより効果的なサービスの調整やケア方針の共有につなげることができます。また、検討をすることによって参加者個々のケアマネジメントスキルの向上や資質向上を図ることもできます。
- モニタリング時の随時相談では、サービス利用開始後の状況や問題、意欲の変化など継続的に把握していきます。リハビリ専門職に随時電話相談ができる体制を整えることにより、より的確な状態像の評価につなげることを目的としています。
- 評価時の同行訪問では、ケアプランの終了月にリハビリ専門職が利用者宅を訪問し、目標の達成状況の評価にリハビリ専門職の視点を加えます。これにより的確な状態像の評価及び次のステージへ繋がる自立支援に重点を置いた評価につなげていくことが可能です。
一般介護予防事業の種類と内容3)
一般介護予防事業には、地域リハビリテーション活動支援事業のほかに、介護予防把握事業、介護予防普及啓発事業、地域介護予防活動支援事業、一般介護予防事業評価事業があります。
これらの対象者は、すべての第1号被保険者(65歳以上の高齢者)及びその支援のための活動に関わる人が対象となります。
地域リハビリテーション活動支援事業
地域リハビリテーション活動支援事業は、介護予防の取り組みを機能強化するため、通所、訪問、地域ケア会議、住民主体の通いの場等へのリハビリ専門職等による助言等を実施します。
介護予防把握事業
介護予防把握事業は、収集した情報等の活用により、閉じこもり等の何らかの支援を要する者を把握し、介護予防活動へつなげます。
介護予防普及啓発事業
介護予防普及啓発事業は、介護予防活動の普及・啓発を行います。
地域介護予防活動支援事業
地域介護予防活動支援事業は、住民主体の介護予防活動の育成・支援を行います。
一般介護予防事業評価事業
一般介護予防事業評価事業は、介護保険事業計画に定める目標値の達成状況等を検証し、一般介護予防事業評価を行います。
なお、介護予防把握事業、介護予防普及啓発事業、地域介護予防活動支援事業、一般介護予防事業評価事業の詳細につきましては、別ページをご覧ください。