次のアルツハイマー病治療薬候補ドナネマブ

公開日：2024年1月30日 09時00分
更新日：2024年8月16日 15時19分

こちらの記事は下記より転載しました。

公益財団法人長寿科学振興財団発行　機関誌 Aging&Health 2024年第32巻第4号（PDF:5.1MB）（新しいウィンドウが開きます）

　アルツハイマー病（AD）の原因となるアミロイドβ（Aβ）の脳内蓄積を、抗体を用いて除去する免疫療法の開発が進んでいる。2023年9月には、Aβの重合体であるプロトフィブリルを認識する抗体「レカネマブ」が日本で承認された。これに続き、蓄積後のAβに生じるピログルタミル化修飾を認識する抗体「ドナネマブ」の第3相臨床試験の結果が発表された。試験では、ADの初期症状を有する1,736人にドナネマブまたはプラセボを4週間おきに1年半投与。Aβ蓄積に次いで生じるタウの蓄積が低～中等度の被検者では、ドナネマブにより、認知機能や日常生活機能を評価するiADRSスコアにおいて病気の進行が約35％抑制された。一部の患者で脳浮腫が生じるなど克服すべき課題はあるが、Aβ除去によるADの進行抑制効果が改めて示された。