炎症性サイトカインIL-11を抑えて健康長寿
公開日:2024年10月18日 09時00分
更新日:2024年11月12日 16時06分
こちらの記事は下記より転載しました。
老化すると免疫力が落ち炎症も増える。炎症時に暴れ出す炎症性サイトカインは多種あるが、その中でIL-11といういわばマイナーだったものを抑えると健康長寿へ向かうという。マウスでの結果だが、IL-11遺伝子のノックアウトマウスは肥満抑制、筋肉増量、糖代謝改善、しかも平均寿命も2割延伸した。遺伝子欠損ではなく、中年期以降にIL-11の作用を抑えるべく抗体注入によってその効果をみると、ほぼ同様の結果になった。しくみとしては老化制御に関わるmTOR経路を抑制している。炎症性サイトカインの抗体医薬で健康長寿を目指せるのか?まだマウスでの結果だが、今後、ヒトでの効果に期待がかかる。シンガポール国立大学からの研究成果だ。
文献
Widjaja AA, et al., Nature. 2024; 632(8023): 157-165
筆者
- 森 望(もり のぞむ)
- 長崎大学名誉教授
以下をクリックすると機関誌の内容をご覧になることができます。
WEB版機関誌「Aging&Health」アンケート
WEB版機関誌「Aging&Health」のよりよい誌面作りのため、ご意見・ご感想・ご要望をお聞かせください。
お手数ではございますが、是非ともご協力いただきますようお願いいたします。