健康長寿ネット

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生体内リプログラミングによる組織幼若化と寿命延伸への試み

公開日:2024年5月 1日 09時00分
更新日:2024年8月16日 15時17分

 2006年、京都大学の山中伸弥教授らによる4つの転写因子の導入による細胞の若返り現象の発見は衝撃的だった。最終分化した細胞を初期化するiPSの手法は、生体の若返りへの期待をも膨らませている。2016年に米国ソーク研究所で、いわゆる山中の4遺伝子(OSKM)の一時的な導入によってマウス個体内での細胞の若返りと寿命の延伸効果が観察された。その流れを汲むスイスのローザンヌ大学のグループは、今回、マウスでOSKM遺伝子群の長期誘導を検討した。だが、その期待とは裏腹に、肝臓と小腸での不具合でマウスは短命化してしまった。しかし、この2臓器での発現を抑制すれば延命できる。まだまだ多角的な検討と考察が必要だが、個体レベルでの生体の若返りへの応用が模索されている。

文献

Parras A, et al., Nature Aging. 2023; 3(12): 1509-1520

転載元

公益財団法人長寿科学振興財団発行 機関誌 Aging&Health 2024年 第33巻第1号(PDF:5.8MB)(新しいウィンドウが開きます)

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