若さのエキス:脳脊髄液の威力
公開日:2022年10月14日 09時00分
更新日:2024年8月16日 15時32分
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老化すると脳の神経回路の機能性が下がり認知能力にも影響が出る。そのもとには神経伝導効率の低下がある。神経伝導の絶縁体、オリゴデンドロサイトがしっかりと維持されることが重要だ。以前、生体接合の実験で、若いマウスの血液が老齢動物を若齢化するとした米国スタンフォード大学のトニー・ウィスコレイのラボが、今度は若いマウスの脳脊髄液を老齢動物に注入すると、ある意味で脳が若返ることを示した。その理由は細胞を刺激する無数の因子の中で、FGF(線維芽細胞成長因子)17がオリゴデンドロサイトの増殖を促し、認知力改善へつながるという。FGF17の量は加齢とともに下がりがちだが、それを抑え、補充することで脳の健康を保てるのかもしれない。
文献
Iram T, et al., Nature. 2022; 605: 509-515
転載元
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