快眠のための寝具選びとケアのポイント
公開日:2019年6月21日 09時30分
更新日:2019年6月21日 09時30分
快眠のために必要な寝具選び
快眠のためにはベッドマット・敷布団、掛布団、枕などの寝具の環境を整えることも必要です。寝床内の温度や湿度が適切に保たれ、リラックスした姿勢を保つことのできる寝具を選ぶことで、寝つきが良くなり、睡眠中の寝返りを少なくして快眠を得ることができます。快眠を得るための寝具選びとケアの仕方について学んでいきましょう。
快眠のための寝具の種類
寝具には、寝るときに身体を保温する役割と身体への負担を軽くする姿勢を保つ役割があります。寝具には、次の種類と役割があります。
・寝る姿勢、寝相を適切に保つ寝具
ベッドマット・敷布団、枕
・身体から熱が放出するのを防いで保温をする寝具
掛布団、毛布など
快眠のための寝具の選び方
寝ているときには体内から熱が放出され、発汗して体温が下がります。快眠のための寝具は、保温性、吸湿性、放湿性の良いものを選びましょう。ベッドマット・敷布団、掛布団、枕のそれぞれの選び方についてみていきましょう。
ベッドマット・敷布団の選び方
ヒトの背骨は後頭部から首・胸までと、胸から腰までの二つのS字カーブを描く形になっています。仰向けに寝た時に、身体への負担が一番少ないとされる姿勢は、腰の部分のS字カーブとベッドマット・敷布団のすきまが2、3センチのときと言われています1)。
やわらかすぎるベッドマットや敷布団では胸と腰の部分が沈み込みすぎて、S字カーブとベッドマットや敷布団のすきまが大きくなり、腰への負担が増します。身体への負担が大きいと寝返りの回数が多くなり、熟睡できなくなります。一方、硬すぎるベッドマットや敷布団は身体に圧がかかり過ぎて血流が妨げられ、寝心地が悪くなります。
ベッドマットや敷布団はやわらかすぎても硬すぎても身体への負担が大きくなります。胸と腰の部分の二つのS字カーブをバランスよく支えてくれて、リラックスした姿勢を保つことのできる硬さのベッドマットや敷布団を選びましょう。
掛布団の選び方
寝ている間は、熱が身体から奪われていくので保温性のある掛布団が必要です。熱は汗となって身体から出ていくので、保温性に加えて、汗を吸収、透過する吸湿性、放湿性のあるものを選びましょう。
寝ている間は身体の同じ部位が圧迫され続け、血流が滞らないように自然に寝返りをうっています。寝返りは回数が多くなると熟睡が妨げられますが、体温調節や寝床内の保温、熱や水分の発散の調節などの役割もあり、寝ている間に必要な身体の動きです。
掛け布団は、身体を圧迫しない軽いもので、身体の動きになじむしなやかさのあるものを選び、寝返りの動きを妨げないようにすることもポイントです。
枕の選び方
枕は寝た姿勢で、ベッドマット・敷布団と後頭部から首までのすきまを埋めて身体にかかる負担を軽減する役割があります。仰向けに寝て、ベッドマット・敷布団と首の角度が約5度で、首のすきまが1~6センチであることが首や肩への負担が少なく、理想の枕の高さとされています(図1)1)。
しかし、後頭部から首にかけてのカーブの形状には個人差があるため、自分の体形に合う高さ、安定性のある枕を選びましょう。
高さの合わない枕は首や肩への負担が大きくなるだけではなく、首や肩、胸の筋肉の動きを阻害して、寝ているときの呼吸が行いにくくなります。首や肩へ負担がかかり、呼吸がしにくいと寝心地が悪くなって熟睡できなくなります。
枕は寝返りをして、身体が横向きになったときに肩から頭全体を支えられる奥行の長さも必要です。自分に合う高さで、重たい頭を支えることのできる弾力性と安定性があり、寝ている間に出る汗の吸湿・透過に対応できる吸湿性・放湿性に優れた枕を選びましょう。
寝具のケアの仕方
快眠を得るためには寝具を正しくケアして使用することも大切です。
湿気をとる
寝具には湿気がこもりやすいので天気の良い日に干しましょう。午後3時を過ぎると湿気が多くなるので、午前10時頃から午後2時ごろまでの間の約2時間で干しましょう。夏場は紫外線が強いため、片面1時間程度で良いとされています2)。
寝具を取り込むときに、布団たたきなどでたたくと、中に入っている繊維が傷んで埃となって表面に出てきてしまいます。寝具の表面の埃をブラシで軽く払う程度にし、掃除機をかけることでダニ防止となります。
寝具によっては天日干しを避けた方がよいものもあるので、取り扱い絵表示をよく読んでケアを行いましょう。
マットレスはカビが生えないように除湿シートを使用することや、部屋の風通しの良いところに立てかけて、湿気を逃がすようにしましょう。
カバーをかける
布団や枕にはカバーをかけて傷みや汚れを防ぎましょう。枕カバーは直接肌に触れるので、2、3日に1度は洗うようにしましょう2)。汗をかきやすい夏場は毎日洗うのがおすすめです。