タンパク質凝集体のみを分解できる新しい技術の開発
公開日:2025年1月17日 15時00分
更新日:2025年1月17日 15時00分
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タンパク質の異常な凝集は神経変性疾患の発症原因であるため、この凝集体を効率的に分解することは治療法となる。しかし凝集体を形成していない正常な状態ではこのようなタンパク質も生理機能を持っているため、凝集体のみを選択的に認識して分解する技術が必要である。ケンブリッジ大学のMcEwan博士らは、TRIM21という分子の活性化機構を応用し、またナノボディと呼ばれる抗体の抗原結合部位と組み合わせて、凝集体のみを標的とできる新しいタンパク質分解法を開発した。神経変性疾患のひとつであるアルツハイマー病の新しい治療法となる可能性だけでなく、タンパク質凝集体を形成するその他の疾患にも応用できる可能性があり、興味深い。
文献
Benn J, et al., Science. 2024; 385(6712): 1009-1016
筆者
- 堀 由起子(ほり ゆきこ)
- 東京大学大学院薬学系研究科機能病態学教室准教授
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