2024ノーベル賞の舞台裏:寿命遺伝子とマイクロRNA
公開日:2025年1月17日 15時00分
更新日:2025年1月17日 15時00分
こちらの記事は下記より転載しました。
今年のノーベル賞のニュースには驚いた。受賞者の一人ハーバード大学のゲイリー・ラブカン教授は、かつて寿命遺伝子探索の最先端を走った人だったからだ。90年代後半に線虫のage-1、daf-2など一連の長寿命変異体の遺伝子を同定し、それによって寿命制御シグナル経路のメインルートが明らかになった。ラブカンはその直後、線虫や哺乳類で小型RNA(miRNA)が老化、寿命に限らず多様な生命現象の各所において重要な働きをすることを解明した。受賞理由はこちらだったが、老化制御分野への科学的貢献も絶大だった。最近は、エネルギー産生に重要なミトコンドリアタンパク発現の制御に核内のメチル転移酵素の重要性を提起し、細胞の代謝変動やストレス応答、神経変性への関与を明らかにしている。
文献
Meisel JD, et al., Curr Biol. 2024; 34(12): 2728-2738
筆者
- 森 望(もり のぞむ)
- 長崎大学名誉教授
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