ゲノム編集の落とし穴:CRISPRベビーは短命か?
公開日:2019年10月10日 11時23分
更新日:2024年8月16日 17時10分
こちらの記事は下記より転載しました。
昨年の秋、中国から衝撃のニュースが入った。ゲノム編集をしたヒトの子が生まれた。そのベビーはHIV耐性になるはずだ。改変のターゲットはCCR5という遺伝子。これはHIV感染の初期に働く。だからこれを阻止して感染を防ごう。こうしてHIV陽性の父親の精子からCRISPRによるゲノム操作で双子が生まれた。だが今回、カリフォルニア大学バークレー校のWeiらが英国の41万人のバイオバンクのデータから推定すると、染色体の両方のCCR5遺伝子に変異がある人の生存率は21%下がり、76歳を超えるのはむずかしいという。昨秋のHe Jiankuiの試みはやはり無謀との批判を免れないだろう。
文献
Wei X,et al. Nature Med 2019 ; 25 : 909-910
転載元
機関誌「Aging&Health」アンケート
機関誌「Aging&Health」のよりよい誌面作りのため、ご意見・ご感想・ご要望をお聞かせください。
お手数ではございますが、是非ともご協力いただきますようお願いいたします。