ジョギングの効果と方法
公開日:2016年7月25日 10時00分
更新日:2019年2月 1日 17時58分
ジョギングとは
ジョギングとはゆっくりと快適なペースで走ることで、ウォーキングとランニングの間に位置する強度の運動です。ウォーキングでは少し物足りないと感じたり、ランニングはきつくて続かないと感じる場合に、有酸素運動として取り組むのに最適な種目といえます。
ウォーキングは片方の足が地面に接しているのに対し、ジョギングやランニングは両方の足が宙に浮いている瞬間があります。そしてジョギングとランニングの違いは主に運動強度(きつさ)によって分けられます。
改訂版「身体活動のメッツ(METs)表 )」では、一般的なジョギングは7.0メッツ、ランニングは8.0km/hのときに8.0メッツ、10.8km/hのときに11.0メッツ、14.5km/hのときに15.0メッツにもなります。
自覚的な運動強度(きつさ)は人によって異なりますが、一般的にジョギングは「にこにこペース」というおしゃべりしながら走れるくらいの強度とされています。
ジョギングの目的
ジョギングはウォーキングよりも強度が高く、多くのエネルギーを消費します。ランニングほどきつくはないため比較的長時間続けることができ、有酸素運動として行うことができます。
ジョギングの消費カロリー
一般的なジョギングは7.0メッツとされています。メッツ値を元に、消費カロリーは「消費カロリー(kcal)=1.05×メッツ×時間×体重(kg)」で算出することができます。例えば、体重50kgの人がジョギング30分行った場合、1.05×7.0(メッツ)×0.5(時間)×50(kg)=183.8kcalを消費したことになります。計算式からわかるように、長時間行うほど、また体重が重いほど消費カロリーは多くなります1)。
習慣的にジョギングを行うと持久力が高まり楽に行えるようになります。同じスピードで楽に走れるようになると心拍数が上がりにくくなり、運動強度は低くなります。また体重が落ちてくることも予想されます。上の計算式からわかるように、運動強度が低くなり体重が軽くなると、消費カロリーは小さくなります。ある程度のカロリーを消費するには、運動習慣や体力、体重に合わせて、運動時間を長くしたり、スピードを早くして運動強度を上げるなどの工夫が必要になります。
正しいジョギングの方法
長時間走り続けるジョギングでは、膝や腰に負担をかけないフォームを身につけることが大切です。
足裏全体で、重心の真下に接地する
重心よりも前に足を接地させることを「オーバーストライド」といい、オーバーストライドでは毎回つま先部分で踏ん張って減速しなければなりません。またオーバーストライドでの着地時は足底筋、腓腹筋、ハムストリングスが伸張性筋活動を行いながら衝撃を吸収することになります。伸張性筋活動は筋への負担が大きいため、筋がダメージを受けやすくなります。そこで足は重心の真下に着くようにイメージし、難しい場合は接地時に腰を前に出すことで重心を足の上に位置させやすくなります。重心の真下に接地できている場合は、走行中に頭の位置が変わらず(重心が上下動せず)に走り続けることができます。
ピッチとストライドを調整する
ストライドが大きいほど、より多くの筋を使う必要があります。その場合消費エネルギーは大きくなりますが、すぐに疲れてしまいます。楽に走り続けるためには、早めのピッチを心がけることで、ストライドが大きくなりすぎないようにすることがポイントです。ピッチと呼吸を合わせるなど、リズミカルに行えるようにします。
ジョギングの注意点
ジョギングやランニングでは、両方の足が宙に浮くため踵や膝への負担が大きくなります。そのため傷害の予防のために初心者はクッション性の高いシューズを履くことが推奨されます。
また、いつも硬いアスファルトのコースばかりを走るのではなく、公園の芝生や土などの柔らかいコースを走ったり、時には坂道や階段コースを取り入れるなど、様々なコースを利用することで、傷害予防だけでなく飽きない工夫をすることも大切です。夜間に屋外を走るときは、事前に下見をした道を、ライトを点けて走るなど、事故や転倒の予防に十分な配慮が必要です。
参考文献
- 国立健康・栄養研究所.改訂版「身体活動のメッツ(METs)表」.2012年4月11日改訂