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バランスボール運動の効果と方法

公開日:2016年7月25日 03時00分
更新日:2019年10月17日 11時24分

バランスボール運動をする男性のイラスト。バランスボール運動は筋力トレーニングやストレッチにもなり筋力、筋持久力、柔軟性、バランス能力が向上する効果が期待できる。

バランスボール運動とは

 バランスボール運動とは、ボールのもつ「弾む」「転がる」「支える」といった3つの機能的な特性を生かして行う運動です。使い方によって筋力トレーニングやストレッチを行うことができます。バランスボールという呼び方のほかに、「エクササイズボール」、「体操ボール」、「トレーニングバルーン」、「ギムニクボール」と様々な呼び方がされます。

 使用するボールは、大人が手を広げて持つような直径40~90cmもある大きなゴム製のボールです。このボールの上に乗ったり、手足で押したり引いたりと、様々な運動方法があります。

写真1:様々なバランスボールの写真
写真1:バランスボール 左から45cm(黄)、55cm(赤)、65cm(青)、75cm(黄)

 バランスボールは通常、身長に合わせて選ぶことが基本です。身長とボールサイズの目安は下表の通りです。バランスボールに座ったときに股関節の位置が膝よりも高くなるようにします。(表)

表:ボールサイズ選択の目安
身長の目安ボールサイズの目安
~150cm 45cmまたは55cm
150cm~170cm 55cmまたは65cm
170cm~180cm 65cmまたは75cm
180cm~ 75cmまたは85cm

※トレーニングの目的に応じて、サイズを変更することも可能です。

バランスボール運動の効果

 バランスボールでは、使い方によって主に筋力、筋持久力、柔軟性、バランス能力を向上させることが期待できます。自宅でも置いておけば、床でごろごろするのではなくバランスボールに座ることで健康効果は高まります。また最近では会社など職場の椅子をバランスボールに変更した例がいくつか報告されています。運動強度もそこまで高くないため、体力や筋力に自信が無い方は試してみるとよいかもしれません。

バランスボール運動の種類

体幹筋力の向上

 まずはぐらつかないようにバランスボールの上に座り続けることで体幹の筋群を使います。基本の姿勢を保ちながら、足を床から離してみたり、わざと腕を大きく動かしたりすることで、体勢を保とうと体幹の筋が使われます。体幹筋力の向上に効果的です。

トレーニングの補助器具として

 スクワットでは、膝腰が痛かったり重心のコントロールがうまくできない場合、バランスボールに腰掛けるようにスクワットを行います。他にも腹直筋を鍛える場合に、仰臥位で両足にバランスボールを挟み、ボールを落とさないように脚を上げ下げします。バランスボールが負荷の役割になります。

バランスボール運動の方法

 バランスボール運動は、正しい姿勢で行うことが大切です。背中を丸めたような不良姿勢で行うと腰などに局所的な負担がかかったり、バランスを保ちにくくなったりし、傷害や転倒のリスクが高くなってしまいます。正しい姿勢を維持するために次の点を意識してみてください。

  1. 股関節の屈曲角度を90度程度にし、ボールに座ります。
  2. 腹横筋を引き締めて背筋を伸ばします。まっすぐな姿勢を意識します。
  3. 両足の膝と膝の間が20~30cmあけて座ります。
  4. 両足のふくらはぎがボールに触れないように座ります。深く座りすぎるとふくらはぎが触れてしまうため、ボールのちょうど真ん中あたりに座れるように重心を移動させます。

 基本の正しい姿勢を保ったままボールを弾ませます。そのとき身体の軸がぶれないように、体幹に力をいれて背筋を伸ばしたまま弾みます。体幹の筋力が低いと、弾んだ拍子に右や左に重心がぐらつくことが多くみられます。

 どの運動を行う場合でも、慣れるまでは両手をボールに添えたり、椅子につかまったりと、ご自分の体力や筋力に合わせて無理せずに行ってください。高齢者やバランスが取りにくい人の場合は、背後に補助者に立ってもらい、万が一の転倒に備えるように注意してください。(写真2)

写真2:ボールに座った基本姿勢の様子
写真2:バランスボールの座り方

バランスボール運動の注意点

 バランスボールに座った際に、両足の裏が床に着き、股関節屈曲角度が90~110度になる大きさが最適な大きさのバランスボールです。ボールの上で座ってはずむ運動を行ったときに、下に沈んだときに股関節が鋭角に屈曲することのないように、ボール選び、空気圧の調整を行います1)

バランスボール運動はどこでできるか

 身近な体育施設で「ボール運動教室」のような名称で教室が開催されていることがあります。音楽に合わせて楽しく運動したり、筋力トレーニングを行ったりと、教室によって目的や内容は異なります。ぜひ体育施設に行って一度覗いてみてください。

参考文献

  1. NPO法人Gボール協会(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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