健康に良い規則正しい食生活とは
公開日:2016年7月25日 00時00分
更新日:2019年2月 1日 16時38分
規則正しい食生活とは
栄養素のバランスがとれた食事を、腹八分目を心がけ1日3食取り入れることです。1日3食食べることは活動に必要なエネルギーや栄養素を補うだけでなく、生活リズムを整える点でも重要です。
健康維持のためには食事からの摂取エネルギーと1日の活動で使われる消費エネルギーのバランスになります。
消費エネルギーが少なく、摂取エネルギーが多ければ、余ったエネルギーは体脂肪となり体に蓄積され肥満を引き起こします。
また、摂取エネルギーが少なく、消費エネルギーが多い場合には体重は減っていきます。健康的な体重減少であれば問題ありませんが、食欲の低下や偏った食事により摂取エネルギーが減ってしまった場合には、栄養素も十分に補えていないので、健康を維持することが難しくなってきます。そのため低栄養状態に陥り、寝たきりや要介護のリスクが高まります。
食事は1日3食とし、毎日同じ時間帯に食事を摂るようにします。毎食のエネルギー量は朝:昼:夜を3:4:3(または3:3:4)の割合にするのが理想的です。夕食の量が多かったり、寝る2時間前の食事は肥満を招きます
また、食事と食事の間隔が空きすぎてしまうと、体が飢餓状態となり、1度に沢山食べてしまいます。さらに朝食を抜いてしまうと、体は代謝を抑えてエネルギーを使わないようにしてしまいます。
いくら1日3食食事をしていても、「〇〇だけ」「〇〇抜き」のような偏食はビタミンやミネラル、たんぱく質の不足で栄養素が欠乏してしまいます。3食の食事は、一汁三菜(主食、主菜、副菜2品、汁物)と昔ながら和食スタイルにすると、栄養のバランスが良くなります。
規則正しい食生活の効果
規則正しい食生活を続けることで以下の効果があります。
- 適正体重の維持
- 健康の維持増進
- 生活リズムが整う
- 腸内環境が整う(便秘改善)
- 自律神経の乱れを防ぐ
- 気持ちの安定
脳は1日25時間を周期とする「概日リズム」(サーカディアンリズム)にそって活動をしています。1日25時間の「概日リズム」を実際の24時間に修正するのは、私たちの体に備わっている「時計遺伝子」です。
時計遺伝子を24時間に調整する方法は、朝日を浴びることで「中枢時計遺伝子」のリセットされることと、朝食を食べることで、細胞1つ1つに備わる「末梢時計遺伝子」がリセットされることで調整されます。朝日を浴びること、朝食を食べることで正常な1日を始められます1)。
何をどれだけ食べればよいか
体内での栄養素の働きは3つあり「エネルギー源」になる炭水化物、たんぱく質、脂質、「体を構成する」たんぱく質、脂質、ミネラル、「体の調子を整える」ビタミン、ミネラルがあります。
「何をどれだけ食べればよいか」の具体的な目安量がわかるガイドとして厚生労働省・農林水産省が推奨する「食事バランスガイド」(リンク1参照)があります。これは1日の食事の適量を一目で分かるようにし、食事を主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の5つに区分しています。食品だけではなく、具体的に料理メニューを提示しています。
1日に必要なエネルギー量2200±200kcalの場合(基本形)
- 主食 5~7つ
- 副菜 5~6つ
- 主菜 3~5つ
- 牛乳・乳製品 2つ
- 果物 2つ
※「つ」はどれだけ食べればよいかの単位
主食、副菜、主菜を朝食、昼食、夕食ごとに3:4:3(または3:3:4)の割合に振り分けます。牛乳・乳製品、果物は間食にまわします。
主食はご飯、パン、麺類でも構いません。1食あたり1~2つにするようにします。いくら主食の5~7つの範囲内でも、1食で主食中心の食事はバランスが悪いだけでなく、血糖値が上昇し、脂肪として蓄えられ肥満につながるので、毎食同じ量を取り入れるようにします。
副菜はサラダや和え物、煮物、炒め物など毎食2つを目安に取り入れます。朝忙しいときは、副菜はゼロにせず、100%の野菜ジュースでも良いのでとり入れます。
主菜は肉、魚、大豆製品、卵を1日の中で万遍なくとり入れます。とくに大豆製品と魚は毎日取り入れるようにします。納豆や冷奴などの大豆製品、目玉焼きは1つなので朝食にとり入れ、昼食と夕食は魚料理(2つ)や肉料理(3つ)を組み合わせると、理想の比率の3:4:3(または3:3:4)の割合になります。
牛乳・乳製品や果物は1回の食事で補えない時は間食に取り入れると、食事だけでは補いきれないカルシウムやビタミンCが補えます。
参考文献
- 香川靖雄著「時計遺伝子ダイエット」株式会社集英社