訪問入浴介護とは
公開日:2019年2月12日 14時50分
更新日:2019年10月23日 09時00分
訪問入浴介護とは1)2)3)
訪問入浴介護とは、専門の事業者が、寝たきり等の理由で、自宅の浴槽では入浴するのが困難な在宅の要介護者に対して、浴槽を自宅に持ち込み入浴の介護を行うサービスです。
介護職員2名と看護師1名の3名で行うことが一般的です。入浴の前後には、血圧や発熱の有無等についてのチェックを行います。血圧が高い場合等においては安全にサービスが提供できるかどうかを主治医に照会することもあります。
主治医が、要介護者の状態が安定していると判断した場合については、介護職員のみで訪問する場合もあります。その場合は、利用料金が5%安くなります。
なお、要支援状態の方については、介護予防訪問入浴介護を利用することができます。
入浴することの効果
湯船につかるということは、日本人にとって欠かせない文化とも言えます。もともと入浴が好きだった高齢者が、家族だけでは負担が大きく自宅の浴槽ではとても入れてあげることができないということがあります。入浴は、皮膚をきれいにし、痒みをとり、免疫力をあげると共に、リラックスできるので、夜間の睡眠を促すという作用もあります。
体調の悪いときは足浴や蒸しタオルに切替可能
入浴する時の体調によって、無理して全身浴とせず、足浴や蒸しタオルなどで、体を拭くことに切り替えることもできます。その場合は、利用料金が通常より30%安くなります。
入浴方法についての選択
訪問入浴介護の他に、入浴に関する支援としては、例えば、訪問介護や訪問看護において自宅の浴槽で援助をしてもらう場合、デイサービスやデイケアの施設で入浴する場合もあります。
訪問入浴介護の対象者
介護保険により、訪問入浴介護サービスを受けることが出来る方は、要介護1以上の認定を受けた方です。
訪問入浴介護のサービス内容
訪問入浴介護のサービス内容は、以下の様になります。
- 入浴前:体温、血圧、脈拍などの測定を行います。
- 入浴など:全身浴、部分浴、清拭のうちいずれかですが、その日の状態により予定が変わることがあります。
- 入浴後:衣服の着脱介護として、更衣を行います。
訪問入浴介護の1回当たりの自己負担額(1割の場合)の目安
訪問入浴介護の利用料の目安は表1の通りです。
なお、利用負担は原則1割ですが、一定以上の所得のある者の場合は2割又は3割負担となります。
費用の目安 | 自己負担額 |
---|---|
看護師1人+介護職員2人の場合(全身浴) | 1,256円 |
- 介護職員3人が行った場合:自己負担額×95%
- 入浴が困難で体拭きや部分の入浴を行った場合:自己負担額×70%(875円)
- 要支援1.2の認定を受けた方は介護予防訪問入浴介護サービスが受けられ、全身浴の場合、自己負担額は1回あたり845円となります。
- 地域によって、自己負担額が異なる場合があります。
- 介護従事者の専門性に着目し、介護福祉士及び介護職員基礎研修課程修了者の配置に対してサービス提供体制強化加算がされ、自己負担額が変わる場合があります。
- 事業所と同一敷地内または隣接する建物に居住する人の場合、自己負担額×90%(10%減算)、ただし同一敷地内または隣接する建物に居住する利用者の人数が1か月あたり50人以上の場合は自己負担額×85%(15%減算)となります。また、上記以外の範囲に所在する建物に居住する人で、その建物に居住する利用者の人数が一か月あたり20人以上の場合は、自己負担額×90%(10%減算)です。
- 事業所によって介護職員処遇改善加算(現行加算)、介護職員等特定処遇改善加算(特定加算)が加わります。なお、介護職員処遇改善加算及び介護職員等特定処遇改善加算は支給限度額の対象外です。
参考文献
- 江田章江ほか編:困りごとから探せる介護サービス利用法[改訂版], 社会福祉法人東京都社会福祉協議会, 東京都, 2017年, P69
- 三宅明彦 三平和男 深澤理香:年金・医療保険・介護保険のしくみがわかる本. 第3版, 法学書院所, 東京都, 2018年, P76