第5章 口腔ケア 5.認知症患者への口腔ケア
公開月:2020年5月
国立長寿医療研究センター
歯科口腔先進医療開発センター長
角 保徳
1:超高齢社会の到来と認知症患者の増加
わが国は世界に類を見ない超高齢社会を迎え、2019年には65歳以上の人口は、3,588万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)も28.4%である。わが国の高齢化率は世界で最も高く、それに伴い要介護高齢者数は増加の一途をたどっている。高齢者は身体的、環境的に精神疾患に罹患しやすく、なかでも認知症は社会的に大きな関心が寄せられている。認知症の罹患率は70歳では5%、80歳で25%程度であるが、85歳を超えると50%程度に達すると言われており、今後高齢化の進展とともに認知症患者の増加が予想されている。2012年時点で462万人と推計されていた認知症患者数は今後も増加し、厚生労働省は全国で認知症患者の数が2025年には700万人を超え、認知症と軽度認知障害(MCI)で1,300万人を突破するとの推計値を発表した。世界に目を向けると世界保健機関(WHO)の推計では、認知症患者数は2018年時点で5,000万人とされ、2030年に8,200万人、2050年に1億5,200万人に増加すると予測されている。
現在、振り込め詐欺、高齢者の運転による事故、ゴミ屋敷、徘徊など認知症患者が関連する社会問題が日々報道されている。慶應義塾大学と厚生労働省の推計では認知症患者の医療や介護での社会的負担は2014年時点で年間14.5兆円といわれ、さらに2060年には、24.3兆円に膨らむともいわれ、認知症に対する対策は高齢者医療の中でも緊急の課題の一つである。
2:認知症患者の口腔状況
認知症患者は歯磨き自立度、義歯管理能力が認知症の重症化により有意に低下する1)と報告されている。認知症患者では、見当識障害、意欲の喪失、理解力の低下、集中力の低下などの症状があるため、患者自身で口腔内を清潔にすることが困難になるのみならず、口腔管理や歯科治療に協力を得ることができず、口腔環境は悪化の一途をたどる。認知症患者の口腔状況は極めて汚染しやすい状況である。さらに、8020運動の成果で、80歳でも5割以上の人が20本以上の歯を持つので、残根、義歯やインプラントなどの多様性が認められ、汚染が蓄積しやすく、口腔ケアは困難を極める。
口腔環境の悪化防止には口腔ケアが重要だが、認知症患者の理解を得ることは難しく、拒否されて苦慮することも多い。口腔機能が認知機能と関連がある2)という報告もあり、口腔機能を維持向上させることで認知機能低下の予防が期待される。認知症患者の口腔機能を可能な限り適切に評価し、必要に応じて介入を行うことは、患者のQOLの維持や今後の人生においても重要なことである。
継続的な口腔ケアは、誤嚥性肺炎の予防だけでなく、要介護高齢者の栄養維持に有用である3)ことが報告され、多くの病院や施設などで口腔ケアの普及への取り組みがなされている。認知機能の低下した高齢者は心身の不調を正確に伝えることや、自ら受診行動を起こすことができないため、通常の高齢者ではあまり問題にならない口腔合併症が見過ごされることが多く、気づいた時には症状が非常に進んでいることがしばしばみられる。日常的に介護を行っている家族や介護者も口腔の変化を見極めることは困難であり、結果的に放置されることが多く、適切な時期に歯科医療の効果的な介入が行えないのが現状であろう。看護師や介護者による定期的な口腔の観察、歯科医師・歯科衛生士による定期的な口腔管理と合併症の早期発見、早期治療が求められている。認知症患者の口腔管理に対する取り組みはQOLの維持とも関わりが深く、今後よりいっそう必要となるであろう。
3:認知症と口腔の関連
認知症患者の口腔ケアに関連する報告として、新井ら1)は認知症患者では、歯磨き自立度、義歯管理能力が認知症の重症化により有意に低下すると報告した。アルツハイマー型認知症患者と性・年齢をマッチングさせた健常者を比較した症例対照研究では、半数以上の歯の喪失と総義歯の使用はアルツハイマー型認知症の有意なリスクファクターとなることが示唆された4)。米国の144人の女性高齢者を12年間追跡した研究では、歯数が少ないほどアルツハイマー型認知症のリスクが上がることを示した5)。認知機能と咀嚼力の関係では、高齢者557人を対象に、多数歯喪失、咀嚼力低下と認知機能との関係を調査した結果、咀嚼力低下群では認知機能障害発症リスクは有意に高いと報告されている6)。
歯周病とアルツハイマー型認知症に関しては、アルツハイマー型認知症患者では歯周病原細菌に対する抗体価が有意に増加していることが確認された7)。また、60歳以上の2,355人について歯周病菌(Porphyromonas gingivalis)の血液中抗体レベルと認知機能テスト結果の相関を調査した結果、歯周病菌抗体レベルは、思い出す力や計算力の低下と相関があったと報告されている8)。さらに、アルツハイマー型認知症患者の脳内から、歯周病菌(Porphyromonas gingivalis)のリポ多糖(LPS)が検出され9)、歯周病菌がアルツハイマー型認知症の発症に関与する可能性が示唆された。このように、認知症と口腔が何らかの関係を有する報告が多数発表されている。今後、口腔疾患の予防という視点のみならず、認知機能の維持・向上という視点からも、認知症患者への歯科医療や口腔管理が果たす重要性は増し、その普及が望まれている。
このような背景から、今後認知症患者に対応できる歯科医師・歯科衛生士が求められる現場が多くなっていくと考えられる。国立長寿医療研究センターには認知症患者への歯科医師・歯科衛生士による専門的口腔ケアの依頼も多く、認知症患者への口腔ケアを施行する経験があり、次項ではその考え方を説明したい。
4:認知症患者への歯科治療・口腔管理の考え方
新オレンジプランでは、『認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指す。』を基本的考えとし、これら認知症の患者に対して歯科医師・歯科衛生士がどのように関わり、役に立てるかが社会的に問われている。
認知症患者への口腔ケアは、口腔疾患や誤嚥性肺炎の予防だけでなく、栄養維持やQOLの向上に有用であり3)、歯科医師・歯科衛生士のみならず、看護師や介護者によって多くの病院や施設などで口腔ケアの普及への取り組みが期待される。しかしながら、認知症患者への口腔管理の現場では、コミュニケーションがとりにくく、診療に時間と手間がかかると認識されていることから、歯科治療や口腔ケアの介入は敬遠されがちである。認知症患者の口腔管理能力はさまざまで、声掛けにより自身でブラッシングができる患者もいれば、医療従事者が口腔に触れることを拒否する患者もいる。自分の口腔内の状況を把握できず、口腔内環境を整え維持しようとする意思が薄れている場合や、協力が得られないために十分な口腔ケアを受けられない場合も多い。一方で、口腔ケアに関わる医療従事者に認知症疾患に対する正確な認識が欠けている場合には、患者の問題行動ばかりが目につき、適切な口腔ケアを行うことが難しい。
認知症患者は、口を閉じたまま開けようとしない、噛みつく、指示を理解できない、暴力を振るう場合があるなど、歯科治療は困難を伴うことが多い。これらのことを鑑みると、認知症患者の歯科的対応は、保存・補綴処置(歯の詰め物や被せ物などの処置)などの一般的歯科治療中心ではなく、認知症患者の特性を十分把握した上で気道感染および口腔疾患などの感染症の予防と口腔機能の維持向上を目的とした口腔ケアにより重点を置く必要がある。口腔ケアが自身で十分できる患者においてのみ、保存・補綴処置などの一般的歯科治療を検討すべきであろう。認知症初期の段階では、配慮すれば歯科治療は十分可能であるが、認知症の進行とともに歯科治療が困難になることを予知し、歯科治療が可能なうちに、今後の再治療を可及的に必要としない予知性のある治療(Prospective Treatment)および確定的な治療(Definitive Treatment)を行う必要がある。歯科治療を行う場合は、認知症担当主治医の十分な連携の下、認知症の人の神経心理学的症状を理解し、配慮した歯科治療を行う。歯科診療所においては家族に連絡し、認知症患者本人とともに家族も来院することを促すことも必要である。歯科治療の契約と診療費の支払いは、患者への十分な説明と納得が重要であり、患者の理解力が低いときは患者の家族に口腔ケア、歯科治療の必要性を十分説明し、可及的に書面にて承諾を得ておくとよい。
5:認知症患者に対する口腔ケア時の注意点
1.口腔ケアにかかわる医療従事者の注意点
認知症の原因疾患は多種多様でありそれぞれに応じて口腔ケアの方法は患者ごとの特徴を掴み個別に対応することが求められる。また、軽度認知症患者に適切な口腔管理方法を習慣化させることにより、認知症が進行してもその習慣を継続する可能性があると期待されていることからも、認知症の程度やその日の状態に合わせて口腔ケアのプランを変更できるような知識や技術が今後多くの現場で求められてくるだろう。
認知症患者に対する口腔ケアの施行が困難な理由として最もあげられるのは、「口腔ケアの拒否」である。口腔ケア時に認知症患者の協力が得られず、開口を拒否する場面にはよく遭遇する。口腔ケアを拒否する認知症患者への対応として、一度に最初から最後まで無理に口腔ケアを行おうとせず、患者のペースに合わせてできるところから行うことが重要である。ケアを受け入れているか確認する、気持ちの集中ができないためケア時間を短くする、話しかけながら口腔ケアのムードを作るなどの工夫が必要である。
認知症患者が口腔ケアを拒否する場合の対応をまとめた。
- 口腔ケア拒否の原因を明確化する:共感と傾聴をベースに観察に徹し、なぜ口腔ケアを拒否するのか、様々な理由があるのでそれを突き止めることが大切である。
- 覚醒が悪い:体に少し触れながら声かけをすることや、体位を整えながら覚醒させる。
- 口腔内の疼痛がある:口腔内をよく観察して疼痛の原因となっている歯牙や粘膜の異常を明確化する。疼痛の原因に早期に対処し、まずは痛みを取り除くことが重要である。
- 口腔ケアの必要性を認識できない:歯ブラシを見せながら今から歯磨きをすることを丁寧に説明することで、何をやるか理解でき受け入れが可能となる場合がある。
- 口腔内を他人に見せたくない:口腔の専門家であることを十分に伝え、安心させる。
- 過去の口腔ケア時の不快な記憶がある:以前の口腔ケア時にどのような点が不快であったのか確認し、問題点を探り、解決を図る。
- 口腔、口唇への刺激に対して、過度に緊張する:口腔周囲のマッサージや、口腔周囲から触れることによって緊張をほぐす。
- 口腔ケア時の水分が咽頭に流入し、息苦しくなる:口腔ケアの手技に問題があり、改善する必要がある。『水を使わない口腔ケア』を導入することも検討する。
次に、認知症患者に口腔ケアを行うときの注意点をまとめた。
- キーパーソンを把握する:認知症患者に疾患や治療方針の説明を行い納得されても、すぐに忘れてしまうことが多いため、口腔ケア方針の決定などを行う場合には、認知症患者が最も信頼しているキーパーソンと一緒に受診してもらうとよい。
- 口腔ケアに時間をかけない:長時間の治療や口腔ケアは集中力がなくなる場合がある。その時に必要な処置を短時間で行うことが望ましい。また、周辺行動が著明にみられる場合、口腔内の状況と口腔ケアの必要性を比較し、介入のタイミングを図る時もある。
- 理解・動作・移動に時間を要する:患者の体調や周辺症状によっては口腔ケアができる時とできない時もある。受容的、支持的態度で相手のペースになるべく合わせることが重要である。口腔ケア時にこちらから指示をする場合には、必ず一つずつ行い、一度に沢山の内容を指示しない方がよい。
- 動作を見せながら説明する:ブラッシングを行う動作を見せて、丁寧に説明することで、何をやるか理解でき受け入れが可能となる場合がある。一つの動作が終了した後や道具を替えるとき等度々、しっかりと目で見せて必要があれば実際に器具に手で触れさせることで危険ではないことを認識させる。
- 義歯の管理が不十分な場合がある:高齢者は義歯を使用していることが多い。患者の家族も認知症に気をとられて義歯の管理が疎かになっているケースがある。患者がどこまでセルフケアができるか把握することで、家族や介護者にかかる負担も最低限で済むような指導内容とする。
2.認知症患者の介護に関わる家族に対する注意点
認知症患者の介護では日常の介護全般に対する負担に加え、認知症特有の精神症状や行動障害への対応が必要であり、認知症をもたない要介護者の介護とは明らかに違った質の『つらさ』を抱えている。認知症患者の日常の口腔ケアは負担を抱えた家族が支えているので、介護を行う家族の状況と認知症患者の症状を包括的に把握し、家族が受け入れ可能な口腔ケアのプランを提供する必要もある。このプランとは、往々にしてわれわれ医療職は、認知症患者の抱えている病態と障害のみに焦点を合わせた『医療モデル』を思考してしまいがちになるが、家族の思いをふまえたプランを立案することが口腔ケアを継続するうえで重要である。
6:歯科からの認知症対策の提案―非薬物療法としての化粧・整容療法
認知症患者に対する薬物療法は必ずしも十分な成果が上げられない10、11、12)ことから、非薬物療法が注目されている。歯科からの認知症患者への非薬物療法として、口腔ケアの一環としての化粧・整容療法について記載する。
大脳の運動野と感覚野と体の対応を図示したペンフィールドのホムンクルスにおいて、大脳の運動野・感覚野の約8割に、口腔・顔面・手指が対応し、口腔や顔面は大脳の運動野と感覚野を大きく占めることが報告されている(図1)。化粧・整容療法により手を使い、顔に触れ、口腔外マッサージにより口腔周囲を刺激することは、大脳の運動野・感覚野を刺激し認知機能を維持・改善する可能性があると考えている。さらに、要介護高齢者における口腔機能と認知機能との関係を調べたところ、口腔機能と認知機能は強い相関があると報告されている2)。すなわち、口腔機能を向上させると認知機能を維持・向上する可能性が期待される。これらのことは、口腔外マッサージ、化粧・整容療法が認知症へのアプローチの可能性を示唆している。
1.口腔外マッサージの開発
高齢者のQOLの維持・向上には、食べる、話す、笑う、笑顔をつくるなど口腔機能へのケアが有効である。高齢者の楽しみは食事であることが多く、口腔機能の低下は著しくQOLを低下させることになる。近年、看護師や介護者の間で口腔内のケアの認識は高まっており、現在では病院や施設、在宅でも口腔内のケアは広がりを見せている。ともすると口腔内の衛生状態や機能に目を向けがちだが口腔機能の向上を検討すると、口腔内のケアのみでは不十分である。唾液分泌量の増加や口腔機能の回復および維持・向上を目的として、口輪筋や頬筋など口腔機能に深く関連する筋群のマッサージを行うことおよび耳下腺・顎下腺などの大唾液腺の賦活化も必要不可欠である。
このような背景の下、経口摂取や疾患予防のための口腔機能の維持・向上や、口腔ケア前の脱感作を目的として口腔周囲筋のマッサージを行うようになってきた。実際の口腔外マッサージの効果としては、口腔内ケアを行う前に、唾液腺、表情筋、咀嚼筋、嚥下筋などの口腔外をマッサージすることで口腔周囲に機械的刺激を加え、口腔を支持している筋群の緊張を緩め、最大開口量を高めることや円滑な咀嚼運動への補助、意識の覚醒を促す効果があげられる。また、唾液分泌の促進や話す、食べる、表情をつくるなどの口腔機能の向上、咀嚼や嚥下機能の向上も期待でき、継続的な口腔外マッサージには、筋拘縮及び廃用萎縮予防効果も期待できる。
現在我々は、資生堂ジャパン株式会社と口腔外マッサージ用のジェルを開発中である。口腔周囲のマッサージを行うことで、口腔機能の回復および維持・向上だけでなく、マッサージジェルの香料によるリラクゼーション効果、ジェルに含まれる美容液成分や保湿成分による顔面のスキンケアの効果が予測でき、さらなる高齢者のQOLの向上につながり、新たな手法となることを期待している。
2.化粧・整容療法の開発と普及
化粧・整容療法は、1985年アメリカで"THE PSYCHOLOGY OF COSMETIC TREATMENTS"という書籍が発刊され、1990年の国際応用心理学会で「化粧(整容)を行うことで、うつ病、統合失調症の治療に大きな効果がある」と発表され話題となった。わが国では東大病院の「女性患者さんへの外見ケアの会」に化粧・整容療法が採用され、化粧・整容療法については2016年7月3日付けの読売新聞で大きく報道されるなど広がりを見せている。化粧・整容療法は、心理面への影響、身体機能の維持・向上、認知症の予防、「オーラルフレイル」の予防などの効果が期待されている。このような背景の下、我々は化粧・整容療法を認知症患者への音楽療法や回想療法と並ぶ新たな非薬物療法と位置付け、口腔ケアの一環として研究開発を重ねてきた。
【化粧・整容療法を以下の手順で行う】
- 蒸しタオルで顔を拭く
- 鏡を見ながら保湿クリームにて口腔周囲、顔面のマッサージを行う
- 口紅や頬紅等化粧をする
- 化粧完成後に鏡を見る
【化粧・整容療法では以下の効果が期待される】
- 顔面の筋肉をほぐす
- 顔面の血流を良くする
- 心理的リラックス効果
従来の口腔ケアに加えて、口腔外マッサージおよび化粧・整容療法を併用することにより、口腔機能向上が期待され、さらなる健康寿命の延伸やQOLの維持・向上が期待できる。化粧・整容療法は、化粧の動作を通じて「運動機能の維持・向上」や、「認知機能の維持」、「社会性の回復」、「老人性抑うつ予防」の効果が期待できる。
現在、歯科口腔先進医療開発センターでは口腔内及び口腔外を含めた包括的な口腔ケアシステムの構築について検討を重ねている。歯科領域において、心身機能に有効であると考えられる化粧・整容療法を発展させ、口腔機能を維持・向上させるために、「①口腔内ケア、②口腔外マッサージ、そして③化粧・整容療法」を一連の流れとし、介護者側の負担が少なく継続できる包括的なケアの手技やプログラムを確立することが今後の課題である。
化粧・整容療法の普及には、いつでもどこでも誰にでも高齢者の口腔ケアができるような化粧・整容療法の手技の統一、標準化および使用する器具や製品の開発と提供が必要と考えられる。
7:終わりに
認知症患者への口腔ケアは、口腔疾患や誤嚥性肺炎の予防だけでなく、栄養維持やQOLの向上に有用であり、歯科医師・歯科衛生士のみならず、看護師や介護者によって多くの病院や施設などで口腔ケアの普及への取り組みが期待される。一方、歯科治療は口腔ケアが十分できる患者においてのみ、保存・補綴処置などの一般的歯科治療を検討すべきであろう。
文献
プロフィール
- 角 保徳(すみ やすのり)
- 国立長寿医療研究センター 歯科口腔先進医療開発センター長
- 最終学歴
- 1981年 東京医科歯科大学歯学部卒 1985年 名古屋大学大学院医学研究科修了(医学博士)
- 主な職歴
- 1986年 名古屋大学医学部助手 1990年 名古屋大学医学部講師、小牧市民病院歯科口腔外科部長 2004年 国立長寿医療センター先端医療部口腔機能再建科医長 2011年 国立長寿医療研究センター歯科口腔先進医療開発センター歯科口腔先端診療開発部部長 2014年 同・歯科口腔先進医療開発センターセンター長 現在に至る 日本老年歯科医学会評議員、専門医・指導医、日本口腔外科学会専門医・指導医、Geriatric Medicine 編集アドバイザー 客員教授 岡山大学、徳島大学、松本歯科大学、岩手医科大学、鹿児島大学 非常勤講師 東京医科歯科大学、鶴見大学、昭和大学、徳島大学、東京歯科大学
- 主な著書
- 「超高齢社会のための専門的口腔ケア 要介護・有病者・周術期・認知症への対応」医歯薬出版(2017年)、「一からわかる抜歯の臨床テクニック 第2版」医歯薬出版(2017年)、「臨床口腔外科学 一からわかる診断から手術」医歯薬出版(2016年)、「プロフェッショナルシリーズお年寄りに優しい治療・看護・介護 8」医学と看護社(2013年)、「歯科医師・歯科衛生士のための専門的な口腔ケア~超高齢社会で求められる全身と口腔えの視点・知識~」医歯薬出版(2012年)、「新編5分でできる口腔ケア―介護のための普及型口腔ケアシステム」医歯薬出版(2012年)、「一からわかる抜歯の臨床テクニック」医歯薬出版(2008年)、「一からわかる口腔外科疾患の診断と治療」医歯薬出版(2006年)、「5分でできる口腔ケア:介護のための普及型口腔ケアシステム」医歯薬出版(2004年)
※筆者の所属・役職は執筆当時のもの
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