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ニューロンの長寿化を支える長寿命RNAの秘密

 

公開月:2024年7月

 脳内の神経細胞(ニューロン)は非分裂で寿命が長い。人間の場合その一生の間を生き抜く。驚くことに、そんな神経細胞の中に生涯、安定に存在し続ける核内RNAがあることが判明した。マウスでの結果だが、脳内で2年以上安定に存在する。しかも、少なくともその一部はそれがあることによってゲノム安定性をもたらす。ヘテロクロマチンという遺伝子発現の盛んな領域に存在した。そこに神経細胞の長寿化を保証する秘密があるのかもしれない。従来、RNAは不安定なもの、短寿命と考えられていたが、その常識を覆す発見だ。オーストリア科学技術研究所(ISTA)所長のマルティン・ヘッツァーと米国からドイツのニュルンベルクの大学に移籍した戸田智久の研究室の共同研究成果だ。

文献

Zocher S, et al., Science. 2024; 384(6691): 53-59

筆者

森 望(もり のぞむ)
長崎大学名誉教授

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公益財団法人長寿科学振興財団発行 機関誌 Aging&Health 2024年 第33巻第2号(PDF:5.3MB)(新しいウィンドウが開きます)

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