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脳を守るための最新研究

 

公開月:2024年7月

 難聴はアルツハイマー病(AD)の発症リスクを高めることが知られているが、その仕組みは不明である。武漢大学人民医院のPanらは、難聴が健常マウスとADモデルマウスの両方で認知機能障害を悪化させることを明らかにした。また、難聴マウスでは海馬でEmbryonic growth/differentiation factor 1(GDF1)という成長因子の量が減ることを発見した。GDF1を減らすと認知機能が低下し、逆に増やすと難聴による認知機能障害が改善された。さらに、ADモデルマウスでもGDF1を増やすと認知機能障害が改善した。GDF1は神経細胞の保護に関わるシグナル伝達経路を活性化し、アルツハイマー病の病理変化を抑える可能性が示唆された。GDF1は将来的なアルツハイマー病治療の標的分子になるかもしれない。

文献

Pan L, et al., Nat Aging. 2024; 4(4): 568-583

筆者

竹本 稔(たけもと みのる)
国際医療福祉大学医学部糖尿病・代謝・内分泌内科学主任教授

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公益財団法人長寿科学振興財団発行 機関誌 Aging&Health 2024年 第33巻第2号(PDF:5.3MB)(新しいウィンドウが開きます)

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