骨粗鬆症のケア
公開日:2016年7月25日 10時00分
更新日:2019年6月20日 16時47分
骨粗鬆症は予防が大切
骨粗鬆症は、骨の強度が低下し、骨折の危険が高くなった状態です。
一度骨粗鬆症になってしまうと、骨の強度を上げることは困難なので、骨粗鬆症は予防が何より大切です。
骨の強度の指標となる骨密度は、男女ともに20代をピークに、徐々に減少することがわかっています。骨密度のピークを高くし、その後の低下を予防するためにも、若いうちから運動習慣をつけ、バランスのよい食生活を意識することが大切です。
とくに近年は、女性において、過度のダイエットにより若いうちから骨密度が低い人が増えているという報告がありますので気を付けましょう。
定期的に検診を
骨粗鬆症は、いつの間にかなっているものです。気がつかないうちに背骨の骨折をきたしている方も多く認めます。高齢の方は、定期的に整形外科を受診し、骨粗鬆症の検診を行うことが推奨されます。
骨粗鬆症と診断されたら
骨粗鬆症、もしくは骨粗鬆症に近い状態(骨量減少症)と診断された場合、骨折予防のために内服薬などによる治療を行うことが推奨されます。
骨折予防のためには、屋内の段差の解消など、転倒しやすい環境を是正することも望ましいでしょう。そのほか、生活においては以下のような点に気をつけましょう。
禁煙
喫煙者では、骨折のリスクが高いことが明らかになっています。また、骨折した場合、喫煙者では肺炎などの合併症のリスクが上がります。禁煙が推奨されます。
飲酒はほどほどに
過度の飲酒により骨折のリスクがあがります。飲酒はエタノール量で1日24g未満とすることが推奨されています。ビールなら中瓶1本、日本酒なら1合(180ml)、焼酎なら0.6合(110ml)、ワインならグラス1杯強(180ml)、までが目安です。
適正体重の維持
過度のやせや肥満は骨折の危険因子です。体重を適正に維持するよう、気を付けましょう。
運動習慣
運動には、骨密度の上昇効果、および骨折の抑制効果があります。専門家が管理する運動プログラムや、自己管理による歩行運動により、骨折予防効果があることが明らかになっています。そのため、歩行を中心とした運動の日常的実施が推奨されています。
転倒予防のためには、片足立ちなどのバランス運動や、スクワットなどの下肢の筋力トレーニングも有効です。
食生活
カルシウムやビタミンD、ビタミンKの不足は骨粗鬆症の危険因子となります。とくに、カルシウムとビタミンDは意識しないと不足しがちですので、意識して摂取するようにしましょう。