骨粗鬆症の原因
公開日:2016年7月25日 13時00分
更新日:2019年2月 7日 18時41分
骨粗鬆症のメカニズム
骨粗鬆症とは、骨強度が低下し、骨折しやすくなった状態のことです。骨強度を規定する「骨密度」や「骨質」が低下することで、骨粗鬆症となります。
生体内の骨は「リモデリング」といい、少しずつ溶かされ(骨吸収)、また新たに作られる(骨形成)ことを日々繰り返しています。このバランスが崩れ、骨吸収のスピードが骨形成を上回った場合に、骨密度が低下すると考えられています。
また、骨リモデリングのバランスの乱れや、酸化ストレス、血糖値異常、ビタミンD・ビタミンK不足などにより、骨質が低下すると考えられています。
骨粗鬆症の原因
骨粗鬆症の原因は、おおきく2つのタイプにわけられます。1つ目は加齢などにより起こる「原発性骨粗鬆症」で、ほとんどの患者さんはこちらに分類されます。もう1つは、疾患などによりおこる「続発性骨粗鬆症」です。
原発性骨粗鬆症
原因となる病気がなく、加齢や閉経、生活習慣などによる骨粗鬆症です。
加齢
歳をとると、骨リモデリングのスピードが落ちます。骨吸収・骨形成ともに低下するうち、骨形成のスピードがより低下することで、骨粗鬆症になります。
一般に、骨密度のピークは男女ともに20代で、その後は徐々に低下すると考えられています。早期に骨粗鬆症となることを予防するためには、若いうちから食生活や運動習慣に気をつけることが大切です。できるだけ骨密度のピークを高くし、さらにその後の低下を予防するのが重要と考えられます。
女性ホルモンの低下
女性ホルモンのエストロゲンには、骨吸収を緩やかにする効果があります。女性の場合、50歳頃で閉経をむかえるとエストロゲンが減少するため骨吸収のスピードがあがり、骨粗鬆症になりやすくなります。
生活習慣
運動不足や寝たきりにより、骨への負荷が不足すると骨量は減少します。また食事からのカルシウム・ビタミンD・ビタミンKなどの欠乏は、骨密度・骨質の低下につながります。
続発性骨粗鬆症
特定の疾患や薬などによる骨粗鬆症です。以下のような場合に、骨密度や骨質が低下し、骨折のリスクが上がると考えられています。該当する患者さんでは、疾患の治療にくわえ、骨粗鬆症に対する対策が重要です。
- 糖尿病
- 動脈硬化
- 慢性閉塞性肺疾患
- 内臓疾患(慢性腎臓病、肝臓病)
- 内分泌疾患(甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能亢進症など)
- 栄養不良(神経性食嗜不振症、胃切除後、吸収不良症候群など)
- 運動器疾患(関節リウマチなど)
- 薬剤性(ステロイド剤、抗鬱薬、ワーファリン、メトトレキサートなど)
- 先天性(骨形成不全症、マルファン症候群)
- その他(アルコール依存症など)