骨粗鬆症とは
公開日:2016年7月25日 15時00分
更新日:2019年8月 5日 17時33分
骨粗鬆症とは
骨粗鬆症とは、骨の強度が下がり、骨折しやすくなる状態のことです。骨折すると、身体機能の低下をきたし、生活の質が低下し、寝たきりになることもあります。
このような状態になるのを避ける為には、あらかじめ骨粗鬆症を治療し、骨折を予防することが大切です。
骨の強度は「骨密度」と「骨質」で決まる
骨の強度は、骨密度(こつみつど)と骨質(こつしつ)によって決まります。
骨密度は、単位体積あたりの骨量と定義され、g/cm3で表されます。カルシウムなどのミネラルが骨にどのくらい含まれているかの指標となり、骨塩量、骨量、BMD(bone mineral density)などとも表記されます。一方、骨質は、骨の微細構造や、代謝回転、微小骨折、石灰化度などにより規定されます。
骨強度のほぼ70%が骨密度により決まり、残りの30%が骨質により決まるといわれます。骨粗鬆症の予防では、この両方を維持することが大切です。
骨粗鬆症の疫学
高齢者人口の増加に伴い骨粗鬆症の患者さんは増えつつあります。平成22年の報告では、日本全体で男女合わせて約1280万人(男性300万人、女性980万人)の患者さんがいると推計されました。
骨粗鬆症の経過
一般に、骨密度は20歳代をピークに上昇し、その後は徐々に低下すると言われます。骨密度が低下し、骨粗鬆症になると、軽微な外力による脆弱性骨折(ぜいじゃくせいこっせつ)をきたすため注意が必要です。また、骨粗鬆症は生活機能の低下や、心理的な生活の質の低下、長期的な死亡リスクの上昇にも関係することがわかっています。
なお、骨折の危険因子には、骨密度の低下のほか、喫煙、飲酒、ステロイド薬の使用、骨折の家族歴、運動不足、なども挙げられます。骨折予防のためには、骨密度以外の骨折危険因子にも気をつけ、総合的に対処する必要があります。
骨粗鬆症の本態
体のなかでは、骨は毎日、少しずつ溶かされ、また新たに作られることを繰り返しています(リモデリング)。このバランスが崩れ、溶かされる量のほうが作られる量よりも多くなった場合に、骨密度が低下し、骨粗鬆症になると考えられています。
骨リモデリングのバランスが崩れ、骨粗鬆症になる原因は、加齢による女性ホルモンの減少が一番多く(原発性骨粗鬆症:げんぱつせいこつそしょうしょう)、疾患など続発性骨粗鬆症による場合もあります。
介護保険による公的援助
「骨折を伴う骨粗鬆症」は介護保険法の「特定疾病」に指定されています。そのため、通常の介護保険は65歳以上で適応されますが、要介護と認定された場合、骨折を伴う骨粗鬆症の患者さんは40歳以上から介護保険サービスを受けることが可能です。