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体幹トレーニングの効果と方法

公開日:2016年7月25日 06時00分
更新日:2019年8月 5日 16時05分

体幹トレーニングとは

 体幹とは、頭部と四肢(手足)を除く胴体のことを指します。体幹トレーニングとは、胴体部分を強化するためのトレーニングです。さらに身体には様々な種類の筋がありますが、表層にあるアウターマッスル(グローバルマッスル)と、深層部にあるインナーマッスル(ローカルマッスル)に分けることができ、体幹トレーニングはインナーマッスルを鍛えるトレーニングを指すこともあります。

体幹トレーニングの目的

 体幹トレーニングで鍛えられるインナーマッスルは、可動性は低いものの身体を安定化させる働きをします。そのため、バランスをとりやすい、けがなどの急性的障害だけでなく悪姿勢から生じる慢性的傷障害が起きにくい、良い姿勢を保ちやすいなど、スポーツ場面や日常生活では重要な役割を担います。

体幹トレーニングの効果

 体幹の筋力が強化されると様々な良い効果が得られます。バランスを崩しそうになったときに身体をグッと支える働きや、腰痛予防・改善、良い姿勢を保つ働きなどがあります。そのほかにも体型の維持にもとても重要です。年齢に関係なく鍛えれば強化することができるため、自分の体力・筋力に合わせて少しずつ取り入れていくようにしてみてください。下で紹介する腹横筋は、座りながらでも行うことができます。正しい方法で、良い効果をたくさん得られるように始めてみましょう。

体幹トレーニングの種類

 ここでは、腹部のトレーニングについて紹介します。

 腹筋群の中で最も深層にある腹横筋のトレーニングは体幹トレーニングの基本といえます。図1のように膝を立てて仰向けになり、手は臍の下あたりに自然に置きます。息を吸いながらお腹を膨らませ、息を吐きながらお腹をへこませていきます。腹式呼吸を行うような要領で繰り返します。呼吸に合わせて腹部が動いたり、手を当てている下腹部分が硬く収縮していれば腹横筋が働いている証拠です。

 これら一連の動作を10~30回繰り返します。

図1:腹横筋を鍛える運動 画像:WorkoutLabs.com

 次に、腹横筋の一段階表層にある腹斜筋のトレーニング方法です。腹斜筋は内腹斜筋と外腹斜筋があります(図2)。

図2:腹筋群の図。腹直筋、内腹斜筋、腹横筋、外腹斜筋を示す
図2:腹筋群

 腹斜筋のトレーニングでは、膝を立てて仰向けになります。左膝に右足を乗せ、手は頭のうしろで軽く組むようにします。そしてゆっくりと息を吐きながら、肘を対角の膝に近づけるように上体をひねりながら起こします。6~20回×3セットおこない、足を逆(右膝に左足を載せる)して同じ動作を行います。回数やセット数は体力や筋力にあわせて行ってみてください。また、図3のように足を床に着けずに交互に動作を行う事で、腹斜筋にさらに負荷がかかります。また、筋力の左右差がある場合は、弱い(うまくできない)方を意識的に行うことをおすすめします。

図3:腹斜筋を鍛える運動を示すイラスト
図3:腹斜筋を鍛える運動 画像:WorkoutLabs.com

正しい体幹トレーニング

 例えば腹筋群では、アウターマッスルを鍛える前に、インナーマッスルから鍛えるようにします。アウターマッスルが強くなるとインナーマッスルが働く前にアウターマッスルが収縮してしまうため、インナーマッスルが働かなくなってしまいます。どれだけアウターマッスルが強くても、インナーマッスルが弱いと腰痛など障害を引き起こしたり、姿勢が崩れたりバランスがとりにくくなったりと良くない影響を及ぼします。そのため、トレーニングをする順序がとても大切になります。インナーマッスルを鍛えた後に、アウターマッスルを鍛えるようにしてください。

体幹トレーニングの注意点

 トレーニングの動作中にきつくなってくると、ほかの筋に頼って似たような動作をしようとします。その場合、ターゲットにしている筋が効果的に鍛えられません。このような違う筋を頼って行うことをチーティングといいます。トレーニングは回数や時間を多くすることよりも、正しいフォームで適切に行うことが大切です。フォームが崩れることがないよう、自分の体力や筋力に合わせて行ってみてください。

体幹トレーニングはどこでできるか

 体幹トレーニングは自体重で行えるものが多いため、用具を必要とせずどこでも行うことができます。自宅、会社、移動中など、どのような場面でも工夫次第で体幹トレーニングを行えます。ぜひ簡単な方法から取り組んでみてください。

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