特定保健指導「動機付け支援」とは?
公開日:2016年7月25日 12時00分
更新日:2019年2月 1日 15時07分
医師、保健師、管理栄養士などとの面談により
生活習慣改善の作戦を立てます
動機付け支援の対象者は?
特定健診の結果、いわゆるメタボリックシンドローム(以下「メタボ」と略称)予備群(腹囲+追加リスク1個、またはBMI+追加リスク1~2個)またはメタボと判定された人に対して、医療保険者(国保、健保等)から「動機付け支援」の案内が届きます。年齢別に詳しく見ると、原則として40~64歳ではおもにメタボ予備群を対象に、65~74歳ではメタボまたはメタボ予備群の方を対象にこのような「利用券」が届きます。
「利用券」には保健指導を実施している医療機関、または保健指導機関の名称が記載されていますので、指定された機関に予約をいれておきます。(医療保険者によっては、いくつかの機関と契約を結ぶことがあり、本人が利便性や好みにより選択できる場合があります。)
動機付け支援の内容は?
動機付け支援では、図1のとおり原則1回の個別面接(20分以上)またはグループ支援(80分以上)をおこない、医師、保健師、管理栄養士などとの面談により、生活習慣改善のための作戦を立てていきます。個人差はありますが、具体的には以下のような話あいをすることが多いでしょう。
- 健診結果をもとに、自らの健康状態について理解する。とくに体重の増加とともに変化してきた検査データに着目する。(中性脂肪やコレステロール、血糖、肝機能など)
- メタボを放置していると発生しやすくなる心臓や脳の病気、糖尿病の合併症も、体重を減量させることによって、予防できることを知る。
- これから、10年後、○年後のことも考え、健康でいることの大切さを想像してみてください。「75歳でもゴルフでシングル」、「80歳でも旅行を楽しみたい」、「寝たきりになりたくない」など、具体的なイメージを描くとよいでしょう。
- 体重減量の具体的な目標をたてる。体重の4~5%の体脂肪を減量することによりメタボ脱出の可能性が高くなります(あいち健康プラザのデータでは、これだけ減量で70%がメタボ脱出)。70kgの人ではおよそ3kgに相当します。「3か月で3kg減量して67kgをめざす」などと、数値目標を明確にしておくとよいでしょう。
- 図2の算出方法を用いて1か月で脂肪1kgを減量するための作戦を立てる。1kgの脂肪は7,000キロカロリーに相当するので、1日あたりにすると240キロカロリー。ビール1本分、菓子パン2/3個分、ご飯お茶碗1杯分のいずれかに相当します。30分歩くと100キロカロリー、脂肪を燃焼することができます。
- 体重の増加と関連が深い、自分自身の生活状況を振り返る。
- 実現可能な行動目標を立てる。「あなたは何からはじめますか?」自分だけで続けるのは難しいので、家族や友人と一緒にできることを決めてもよいでしょう。運動施設に定期的に通い、運動指導士よりサポートを受けてもよいですね。
- 6ヵ月後に保健指導者から連絡があります。体重や腹囲、生活習慣の状況などの継続状況を確認します。
保健指導者は、あなたの生活背景や考え方などを考慮の上、成功率の高い方法をアドバイスしてくれるでしょう。積極的に活用してみてください。