特定健診の結果、受診を勧められたら
公開日:2016年7月25日 11時00分
更新日:2019年2月 1日 17時38分
健診の結果、医療機関受診を勧められても受診しない人が少なくありません。
受診したくない理由は?
- 症状がないから、必要性を感じない
- 検査結果が悪いことは理解しているが、受診する時間がとれない
- 病気になったことが確定するみたいで、いやだ
- 薬を飲みたくない
- 医者がきらいだ(指図する、痛いことをする・・・)
- どこへ行けばよいのか、わからない
などの回答が返ってきます。思い当たるフシはありませんか?受診勧奨判定値以上なのに放置すると、動脈硬化(リンク1参照)を進展させてしまう危険性が高いのです。また、これらの理由には、受診についての勘違いもありそうです。
受診を勧める理由
ではなぜ、あなたに「医者へかかったほうがよい」と勧めるのでしょうか? 受診勧奨にはいくつかの理由があります。
- 症状はないが、治療を開始したほうがよい病気がありそうだ。
- 薬を飲む必要はまだないが、食事や運動を改善して、定期的に検査をうけて状態を確認したほうがよさそうだ。年に1回の健診では、間隔が開きすぎる。
- 病気を確定しているわけではないが、もう少し詳しい検査をしないと判断ができない。
などの状況があります。受診を勧めたから、すぐに薬を飲まなければいけない、というわけではありません。
中断者も多い
治療をしていたのに、何かのきっかけで中断してしまった人も多いようです。
- 医者にかかったら、まだ薬はいらないと言われた。
- 薬を飲んでも、自覚症状はとくに変わらない。
- 薬の副作用が出たので、もう治療はいやだ
ケース(1)では、まだすぐに薬物治療が必要な段階ではなくて良かったわけですが、食事や運動による改善効果を確認の上、薬物治療を開始しなければいけない場合もあります。薬がないから受診の必要性がないのではなく、生活習慣改善の効果を血液検査等で定期的にチェックしたほうがよいのです。
高血圧(リンク2参照)、脂質異常症、糖尿病のいずれの学会ガイドラインでも、比較的軽症な場合には、最初3か月程度生活習慣改善をしっかりおこない、その効果を見た上で、必要であれば薬物治療に踏み切ることになっています。
受診中断を防止するために「それほど必要性の高くない薬物治療を開始して、患者さんを中断させないようにする」というケースも出てくることでしょう。これはある種の無駄な医療です。「生活習慣改善と定期的な検査」は非常に重要な治療であることを、認識していただければと思います。
ケース(2)の場合、生活習慣病では重症化防止のための治療です。すぐに症状に変化はありませんが、将来への先行投資としての医療と理解してください。
ケース(3)の場合、薬が残念ながら体に合わなかったのですね。でも、もしどうしても必要な種類の薬であれば、注意深く薬剤選択をすることによって、副作用を回避できる場合が少なくありません。医師とよい関係をつくり、よい治療を目指してください。