健康長寿ネット

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早老症のケア

公開日:2016年7月25日 10時00分
更新日:2019年2月 1日 20時34分

ウェルナー症候群のケアの方法とは

 ウェルナー症候群は、代表的な症状として、皮膚の硬化や萎縮があります。これらが四肢末梢にでき、悪化していくと、難治性の皮膚潰瘍ができます。多くの場合、下腿や足、肘に好発しますが、一度潰瘍ができてしまうと、治療困難となるケースがほとんどです(図1)。

図1:皮膚潰瘍の好発部位と障害を示した図。肘に潰瘍ができると食事や整容など、日常生活が著しく制限される。また、下腿や足先に潰瘍ができると歩行障害を起こす。
図1 :皮膚潰瘍の好発部位と障害

 その理由は、皮膚そのもの、あるいは皮膚を栄養している血管系が老化していることにありますので、皮膚潰瘍予防が最も重要なケアとなります。

ウェルナー症候群のケアのポイント

 皮膚潰瘍の予防策としては、

  • 日頃からアキレス腱やかかと、足、肘など潰瘍ができやすい部位をなるべく保護する
  • 異常の早期発見のために、こまめに観察する

などが大切です。

 また、薄い皮膚や固くなった皮膚は骨に圧迫されてしまうことで傷ができやすく、悪化すると深い潰瘍になります。

 ケアのポイントとしては、潰瘍の好発部位あるいは本人が当たって痛いと感じる部位、小さな傷がある部位に対して、装具を作って保護することです。

 また、ウェルナー症候群は若年から悪性腫瘍を発症しやすい疾患でもありますので、生命予後や、日常生活動作の範囲を大きく左右します。これに対するケアのポイントとしては、

  • 定期通院、検査により悪性腫瘍の早期発見につとめる
  • 合併症である糖尿病や脂質異常症などを治療・コントロールする
  • 動脈硬化の進行を予防する

などが挙げられます。

コケイン症候群のケアの方法とは

 コケイン症候群は、日光を浴びることで様々な症状が出ますので、最も重要なケアは紫外線防御です。日中の外出を控え、家の中でも紫外線対策をします。また、難聴や老眼などの症状もあることから、補聴器や眼鏡の使用により、コミュニケーションを図ることも必要です。

 その他にも、次のようなケアが重要となります。

  • 転倒予防に向けた、生活環境の配慮、例えばバリアフリーの居住空間の整備
  • 転倒による外傷予防に向けた、外出時の装具着用
  • 頭部外傷予防のためのヘッドギア装着
  • 定期的な理学療法によるリハビリテーション
  • 虫歯対策として、口腔ケアを念入りに行い、定期的な歯科受診
  • 全身の異常の早期発見として、血圧、血糖、肝機能、腎機能の定期的な評価
  • 腎機能障害、脂質異常症などの早期発見に向けた検診
  • 耐糖能異常の早期発見に向けた血糖値チェック
  • 栄養障害予防に向けた、栄養面での評価、栄養状態の改善

ロスムンド・トムソン症候群症候群のケアの方法とは

 ロスムンド・トムソン症候群は、その病状により様々なケアを必要とします(図2)。

図2:病状に合わせてケアをする部位を示したイラスト。
図2 :病状に合わせた様々なケア

 まず、日光を浴びることで症状が悪化しますので、日光暴露を最小限にした生活が必要です。また、多くの場合悪性腫瘍(がん)を発症し、生命予後を大きく左右します。しかし、悪性腫瘍を発症しなければ、健常者と同様の生活を送ることが可能です。そのため、定期的に検診を行い、がんの早期発見、早期治療をしていくことが重要です。特に、足を引きずっている様子が見られる場合、あるいは皮膚に腫瘤などができている場合には、十分に注意します。

 さらに、齲歯(うし:むし歯)になりやすい疾患でもあるため、口腔ケアを念入りに行い、歯科を定期的に受診し、むし歯の早期発見、早期治療を行うことも必要です。

 発達の遅れが見られる場合は、その分野のリハビリテーションを行います。

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