健康長寿ネット

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医療費控除ができるスポーツクラブ利用料

公開日:2016年7月25日 10時00分
更新日:2023年5月 2日 09時48分

運動療法で医療費控除1)

 厚生労働省が1988年に国民の健康づくりを推進する上で適切な内容の施設を認定し、その普及を図るため「健康増進施設認定規定」を策定しました。

 健康増進施設には、運動型健康増進施設、温泉利用型健康増進施設、温泉利用プログラム型健康増進施設があります。運動型健康増進施設、温泉利用型健康増進施設のなかで、一定の条件を満たす施設を指定運動療法施設として指定しています。

 指定運動療法施設で医師の処方に基づき運動療法を実施した場合と、温泉利用型健康増進施設で医師の指示に基づき治療のため温泉療養を行った場合は、一定の条件の下、施設利用料が医療費控除の対象となります。

運動型健康増進施設とは

トレーニング施設で運動療法を行っている様子を表す写真。厚生労働省が認定した指定運動療法施設で医師の処方に基づき運動療法を実施した場合と温泉利用型健康増進施設で医師の指示に基づき治療の為温泉療養を行った場合は、一定の条件の下施設利用料が医療費控除の対象となる。

 運動型健康増進施設とは、トレーニングジムや運動フロアやプールなどの設備があり、運動増進のための有酸素運動を安全かつ適切に行うことのできる施設のことです。運動型健康増進施設の認定基準は以下のとおりです2)

  1. 有酸素運動及び筋力強化運動等の補強運動が安全に行える設備の配置(トレーニングジム、運動フロア、プールの全部又は一部と付帯設備)
  2. 体力測定、運動プログラム提供及び応急処置のための設備の配置
  3. 生活指導を行うための設備を備えていること
  4. 健康運動指導士及びその他運動指導者等の配置
  5. 医療機関と適切な提携関係を有していること
  6. 継続的利用者に対する指導を適切に行っていること(健康状態の把握・体力測定運動プログラム)

温泉利用型健康増進施設とは3)

 温泉利用型健康増進施設は、温泉療法の知識・経験を有する医師のいる医療機関との提携のもと、温泉を利用した各種の入浴設備(かぶり湯、寝湯、気泡浴、ミストサウナなど)と運動設備(トレーニングジム・プールなど)が総合的に整備されています。

 温泉利用指導者資格を持ったスタッフが医師の作成した温泉療養指示書に従って入浴指導を行ない、安全管理や応急処置、生活指導全般も行っています。温泉療法の知識・経験を持つ医師の所属する医療機関と掲載しており、安全かつ適切に温泉利用プログラムを行うことのできる施設です(リンク1参照)。近年、認定施設が増えたことにより、利用者も増える見込みです。

リンク1:温泉に行って健康になろう!温泉利用型健康増進施設連絡会ホームページ(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

温泉利用プログラム型健康増進施設とは3)

 温泉利用プログラム型健康増進施設とは、温泉利用型健康増進施設の普及型の施設で、病気を治す「温泉療養」ではなく、一般の健康増進のための利用に対応することができる施設です。平成28年6月1日現在で全国に37か所あります(リンク2参照)。

リンク2:温泉利用型/プログラム型健康増進施設一覧 日本健康開発財団(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

医療費控除を受けられる指定運動療法施設とは

 指定運動療法施設は健康増進のために運動療法を行うのに適していると厚生労働省が認定した施設です。医師の処方した運動療法処方箋に基づく運動療法を実施した場合、運動療法にかかった料金は医療費控除の対象となります。

 厚生労働省によると、2021年10月21日現在、全国の運動型健康増進施設のうち、指定運動療法施設は222施設あります4)(リンク3)。

リンク3:運動型健康増進施設一覧 厚生労働省(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

 指定運動療法施設の主な認定基準は以下のとおりです2)

  1. 厚生労働大臣認定健康増進施設であること
  2. 提携医療機関担当医が日本医師会認定健康スポーツ医であること
  3. 健康運動実践指導者の配置
  4. 運動療法の実施にかかる料金体系を設定してあること(1回当たり5,000円以内)

運動療法の医療費控除の手順

 厚生労働大臣認定健康増進施設のうち、一定の条件を満たす施設は指定運動療法施設とされ、医師の指示に従って運動療法を行った場合にかかった利用料金が医療費控除の対象となります。

 かかりつけの医師、または指定運動療法施設の提携医療機関の医師を訪ねて相談し、運動療法処方箋を作成してもらい受け取ります。指定運動療法施設で運動療法処方箋にもとづく運動療法を行います。利用が終わったら、領収書・実施証明書を受け取ります。運動療法処方箋を作成した医師の元で実施証明書を作成してもらうケースもあります。医師のもとで実施証明書の確認書をもらい、税務署で利用料金利領収書と実施証明書を提出し、確定申告用紙にて所得税の申告を行います(図1)。

図1:運動療法の医療費控除の手順を示す図
図1:運動療法の医療費控除の手順2)

参考文献

  1. 健康増進施設認定制度 厚生労働省(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  2. 健康増進施設認定制度 日本健康スポーツ連盟(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  3. 健康増進施設のご案内 日本健康開発財団(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  4. 運動型健康増進施設一覧 厚生労働省(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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