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低血圧

公開日:2016年7月21日 10時00分
更新日:2019年2月 1日 19時40分

低血圧とは

 低血圧とは、国際的に決められている診断基準はありませんが、一般に成人では収縮期血圧100mmHg未満が低血圧とされます。

 起立性低血圧は起立性調節障害とも呼ばれ、立位の収縮期血圧が臥位より20mmHg以上低い場合に低血圧症とされます。

低血圧の症状

 低血圧の症状は次の通りです。

  • 立ちくらみ、あるいは目まい
  • 立っていると気持ちが悪くなる、ひどくなると倒れる
  • 入浴時気持ちが悪くなる
  • 少し動くと動悸あるいは息切れがする
  • 倦怠あるいは疲れやすい
  • 朝なかなか起きられず午前中調子が悪い
  • 腹痛
  • 食欲不振
  • 頭痛

 低血圧症の診断には日常生活での血圧測定が欠かせません。これらの症状がありましたら、低血圧症を疑い、医師に相談することをお勧めします。

低血圧症の原因

 低血圧症の原因は次の通りです。

  1. 失血性あるいは体液喪失による低血圧
  2. 薬剤性低血圧症
  3. 自立神経障害による低血圧症
  4. 食後低血圧
  5. 本態性低血圧症

1.失血性あるいは体液喪失による低血圧

 胃潰瘍などの出血性疾患や脱水症で起こります。比較的急速に上記の症状が出現してきた場合には、疑う必要があります。また、まれですが、内分泌ホルモンの分泌異常により、体液バランスが崩れ低血圧になる場合があります。

2.薬剤性低血圧症

 日常生活での血圧は正常であるにもかかわらず診察室でのみ血圧が高い方を白衣高血圧と呼んでいます。このような方が、診察室で血圧が高いからといって降圧剤を処方されると、日常の血圧は最高血圧が100mmHg以下にまで下がっていることがあり、低血圧症状が出現します。このような症状を自覚されたときには、かかりつけの医師に相談してください。市販の血圧計を購入して日常生活での血圧を調べてみることが診断や治療に有用です。また、うつ病(リンク2参照)の治療に用いられる抗うつ剤なども低血圧を引き起こすことがありますので医師によく相談してください。

3.自立神経障害による低血圧症

 自律神経が障害される神経疾患や重度の糖尿病では、血管や心臓の血圧調節反応が障害されることにより、低血圧症を生じる場合があります。

4.食後低血圧

 食事性低血圧とも言われ、食事の後に血圧の低下を認めることがあります。食後に内臓の血管が拡張し、そこへ多くの血液が流入するために、脳への血液の移行が減り、症状が現れます。若年者より高齢者に多く、また高血圧の患者に多いと言われています。

5.本態性低血圧症

 とくに原因となる疾患がないにもかかわらず低血圧状態が持続する場合をいいます

低血圧の治療

生活上の注意

 日常生活習慣を変えることで、症状はある程度軽減できる可能性がありますので医師に相談しながら実行してみてください。具体的には、急に立たない、長時間立たない。過食、大量飲酒、高温環境を避ける。水分塩分を多く摂取する、食事時にカフェイン飲料を取る、座位や立位時に足を組む足踏みをする、臥床時に頭部を高くする、などがあります。

補助用具の使用

 立位時に弾性ストッキングの装着が有用です。

薬物療法

 血管収縮薬、血管拡張防止薬、体液増加させるためのホルモン療法があります。医師に相談してください。

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