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大動脈瘤

公開日:2016年7月22日 10時00分
更新日:2019年2月 1日 19時40分

大動脈瘤とは

 大動脈は心臓や脳を始めとする、すべての臓器や筋肉などの組織へ、必要な酸素や栄養を供給する要の血管です。

 大動脈瘤はこの大動脈が局所的に瘤(こぶ)状に拡張する病気です。この瘤のでき方により真性、仮性、解離性に分けられます。

 また、大動脈瘤のできる部位により胸部と腹部大動脈瘤に分けられ、さらに、発症からの時期によって急性、亜急性、慢性に分類されます。

大動脈瘤の原因

 大動脈瘤の原因は動脈硬化が最も多く、外傷性、遺伝性、感染症や炎症に由来するものもあります。動脈硬化などにより、もろくなった血管壁は動脈の内圧に耐えられず瘤(こぶ)状化します。

大動脈瘤の危険因子

 大動脈瘤の危険因子は、一般的な動脈硬化の危険因子と同様、脂質異常症(高脂血症)、高血圧、糖尿病、喫煙があります。

大動脈瘤の症状

 大動脈瘤のほとんどは無症状で経過しますが、以下の症状がでることがあります。

  • 胸部、背部、腹部の痛み
  • 血痰・息苦しくなる
  • かすれ声
  • 食物が飲み込みにくい
  • むせる
  • おへその周辺で拍動性の腫瘤

大動脈瘤の治療

 大動脈瘤の性質、大きさや、肺疾患などの合併症により、手術を行うか、経過観察をするかを選択します。

大動脈瘤患者の日常生活の留意点について

血圧

 血圧が高くなると、血管がさらに裂けてしまったり、動脈瘤が破れたりする恐れがあります。そのため血圧を上げないように生活することが大切です。 暖かい所から急に寒い所へ出ると、血管が収縮し、血圧が上がります。特に冬は室内と外気との差をなるべく少なくするようにしましょう。また、排便時には、いきみの時間が長いと血圧が上がりますので、スムーズな便通を心掛けるよう普段から便秘(リンク5参照)を予防しましょう。また、トイレは和式便器にしゃがむよりも、洋式便器に腰掛けて用を足すほうが急激な血圧の変動を避けられます。

過度な外力

 過度な外力が動脈瘤に加わることで、破れることがあります。そのため腹部動脈瘤では腹部の保護も大切です。ベルトや帯でお腹をきつく締める服装は避ける。

 お腹に力を入れる動作は避ける。急に重い荷物を持ち上げない。お腹を強く打たないよう気をつける。以上の点に注意してください。 ※腹部大動脈瘤を持っている人は便秘のときでも腹部のマッサージを行ってはいけません。

運動

 運動の許される程度は、個人差があります。とくに高齢者ではあまり厳しく制限すると筋力の低下など、弊害も考慮しなくてはなりません。まず医師にどの程度の運動しても良いかを、たずねてみることをお勧めします。軽い運動(散歩・ラジオ体操・自転車にのる)は、糖尿病、肥満などの生活習慣病の予防効果も期待できます。

喫煙

 喫煙により血管が収縮し、一時的に血圧が上がります。がんや肺の病気を予防するためだけでなく動脈硬化の進行を抑えるためにもぜひ禁煙してください。

飲酒

 1日の飲酒量は、日本酒なら1合、ウイスキーならシングル1杯程度までにとどめることをお勧めします。過度のアルコール摂取は血圧の上昇をまねき動脈瘤の発生、進行を助長します。

内服薬

  指示された薬はきちんと飲みましょう。自己判断で中断や中止してはいけません。

大動脈瘤患者の日常生活留意点のまとめ

  • 急激な血圧変動を避ける
  • 急に重い荷物を持ち上げない
  • 排便時に力まない
  • 和式便器をさける
  • ベルトや帯で腹部を締め付けないようにする
  • 軽い運動にとどめる
  • 禁煙
  • 過度のアルコール摂取を避ける
  • 薬をきちんと服用する

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