アクティブガイドとは
公開日:2016年7月25日 16時00分
更新日:2019年2月 1日 15時07分
アクティブガイドの概要
厚生労働省は、21世紀における第二次国民健康づくり運動(健康日本21(第二次))の取り組みの一環として、個人の生活習慣病の予防や、生活習慣病の重症化予防を図り、健康的で心豊かに暮らすことのできる寿命(健康寿命)を延ばして生活の質を向上させること、また、社会環境の質の向上を図ることを目指し、平成18年に策定された「健康づくりのための運動基準2006」を改定した「健康づくりのための身体活動基準2013」が平成24年に策定されました1)。
「健康づくりのための運動基準2006」を国民向けに解説した「健康づくりのための運動指針2006(エクササイズガイド2006)」の普及が十分ではなかったこと、健康づくりのためには運動だけではなく、日々の生活の中での身体活動も重要であることもふまえて、「健康づくりのための身体活動基準2013」の内容を国民がよりわかりやすく、実践しやすいように、具体的な方法を示した「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」がガイドラインとして示されました2)。
アクティブガイドは、図1、2のとおりA4表裏1枚のパンフレットにまとめられており、イラストや図表を用いて普段運動を全くしない人から運動習慣を持つ人まで、何をすべきかがわかりやすく示されています(リンク1参照)。
リンク1 アクティブガイド -健康づくりのための身体活動指針- 厚生労働省(外部サイト)(PDF)
また、「健康づくりのための身体活動基準2013・アクティブガイド」のfacebookも開設され、アクティブガイドの内容の説明や一般の人にもわかりやすい健康づくりのための身近なニュースや情報がイラストや写真とともに投稿されています(リンク2 参照)2)。
リンク2 facebook 健康づくりのための身体活動基準2013・アクティブガイド
アクティブガイドの内容
健康づくりのための指標として、「+10(プラス・テン)」という言葉が用いられています。プラス・テンは、健康寿命を延ばすために「今よりも10分多く身体を動かす」という呼びかけであり、18~64歳の人では、「1日60分元気に身体を動かしましょう。」、65歳以上の人では、「じっとしてないで1日40分動きましょう。」その中に、筋力トレーニングやスポーツなどが含まれているとより効果的であるとしています3)。
身体を動かすというのは、そうじや通勤、買い物などの日々の生活の中での身体活動と、日常生活の身体活動以外に行うウォーキングや筋力トレーニングなどの運動を指します。いつもの身体活動や運動に加えて10分間多く身体を動かそうという指針です(図3)3)。
普段運動を全くしない方から、運動習慣を持っている方まで、それぞれの身体活動・運動状況に合わせて「気づく」、「始める」、「達成する」、「つながる」の4段階に分け(図4)、それぞれの段階で何に取り組めばよいのかということを示してあります(図5)3)。
「気づく」とは
運動習慣が全くない方は、まず身体を動かす機会や環境を自分の生活スタイルを振り返って、いつ、どこでプラス・テンできるか、みつけてみましょうという段階です。
「始める」とは
運動はそこそこしているけれども目標まではもう一歩という方は、今よりも少しでも長く元気に身体を動かす+10(プラス・テン)の時間を、通勤や買い物時には歩く、歩く時は速歩きで歩幅を広くする、テレビを見ながらストレッチなどを始めてみましょうという段階です。
「達成する」とは
日頃から活動的な生活を送り、目標を達成している方は、今の生活にさらにさらに+10(プラス・テン)で、「運動を行って体力向上を図る」、「1日8,000歩を目指す」、「犬の散歩や趣味活動などで身体を動かす」など、よりアクティブな生活を送りましょうという段階です。
「つながる」とは
活動的な生活を送り、運動習慣も持っている方は、家族や仲間と一緒にスポーツや体操、屋外での身体活動などを楽しみ、+10(プラス・テン)を一人でも多くの人と共有しましょうという段階です。
生活の中での+10(プラス・テン)の例
実際に生活の中でいつ+10(プラス・テン)すればよいのかの例が示されています。
18~64歳の方では、朝の通勤や家事の前に「散歩やジョギング、ラジオ体操や庭の手入れなどを行うこと」、通勤・帰宅時や買い物に行くときには、「速歩き・歩幅を大きくして歩くことや自転車をこぐこと」、仕事中や家事中には「こまめに動くこと、階段を使うこと、軽い体操を行うこと」、夜の空いた時間に「ウォーキングや運動施設に通うこと、テレビを見ながら筋力トレーニングやストレッチを行うこと」が示されています3)。
65歳以上の方では、「掃除や洗濯などの家事はキビキビと動いて行い、家事の合間にはながら体操を行うこと」、「友達と外出することや子どもや孫の送迎などで外に出る機会をつくって活動的に過ごすこと」などがあげられています3)。
安全のために
安全に+10(プラス・テン)を実行するために、「身体を動かす時間は少しずつ増やすこと」、「体調が悪い時は無理をしない」、「病気や痛みのある時は医師や健康運動指導士の専門家に相談すること」が示されています3)。