健康づくりのための運動方法
公開日:2016年7月25日 18時00分
更新日:2019年2月 1日 16時36分
健康づくりの運動方法とは
健康づくりの運動方法は、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動基準2013」、および「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」にとりまとめられています。これらの基準等は身体活動に関する科学的知見に基づき平成25年の改定を経て公表されています。
「健康づくりのための身体活動基準2013」によると、普段から身体を動かし、運動習慣を持つことは、がん、糖尿病、高血圧、脂質異常症、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病や、これらの疾患から呼び起こされる心臓病、脳卒中などで死亡するリスクを減らすことができます。また、加齢に伴うロコモティブシンドローム、認知症などの生活機能低下をきたすリスクを減らし、健康で自立した生活を過ごせる健康寿命が延びるとしています。
また、身体を動かし、運動することは、疾病予防だけでなく、気分転換やストレス解消などの精神的な安定をもたらし、うつなどのメンタルヘルスによる不調の予防にもなるとされています1)。
「健康づくりのための身体活動基準2013」では、健康づくりのための運動方法として、18~64歳までは、「歩行やそうじなどの身体活動を毎日60分間行うこと」と、「息が弾み汗をかく程度の運動を毎週60分行うこと」が身体活動と運動の基準とされています。65歳以上では、「内容は問わないので、とにかくじっとしたままではなく、身体活動を40分行うこと」としています1)。
また、「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」では、「今よりも10分多く毎日動くことを目標にすること」と呼びかけています。具体的には以下のようなことが例として挙げられています2)。
- 歩く時は歩幅を広くして速歩きで歩く
- 仕事での移動中は階段を使う、遠くのトイレまで歩いて行く、休憩時間に軽い体操を行う
- 掃除や洗濯などはキビキビと動いて行い、家事の合間には体操を行う
- テレビを見ながら筋力トレーニングやストレッチを行う
- 地域の運動施設やスポーツイベントへ参加する
- 休日は家族や友人と外出して身体を動かす
- 通勤や買い物は自転車や徒歩にする
健康づくりの運動を効果的にするポイント
健康づくりの運動を効果的に行うためのポイントを以下に示します2)。
- 今よりも10分間身体を多く動かす機会を生活のなかで「いつ設けるのか」、「どこで行うのか」を生活や環境を振り返ってみつけてみましょう。
- 例えば、車通勤から徒歩や自転車での通勤に変更する、電車通勤時に一駅分手前で降りて歩く、いつも座って過ごしていた休憩時間やテレビを見る時間に体操を行ってみるなど生活の中に身体活動・運動を積極的に取り入れていくことがポイントです。
- 1日の歩数の目安としては8,000歩、身体を動かす時間は18~64歳では60分、65歳以上では40分、その中で筋力トレーニングやスポーツが含まれるとなお効果的です。
- 運動は一人で行うよりも家族や友達、仲間とともに行い、楽しさや喜びを共に感じながら行うことで充実感や達成感も得られやすく、また、運動も継続しやすくなります。
運動とともに食事を組み合わせることで、より健康づくりのための効果を得ることができます。自分の体格に合った適切なエネルギー量をとり、栄養バランスよく食べることや菓子類やアルコールを控えること、油を使わない調理方法に変えること、食べる時間や速さ、頻度を変えることなどで食事の内容をより良いものとすることができます。運動ともに食事も見直してみましょう1)。
運動するときの注意点
運動は行うことで良い面もありますが、同時にリスクもあります。誤った方法で行えば思わぬ事故や怪我へとつながりますので、正しい知識を持ち、安全に行うようにしましょう。運動を行う時の注意点を以下に示します1)2)。
- 身体を動かすときは少しずつ時間や運動強度を増やすようにして、無理をしない。
- 体調の優れないときは、運動は中止する。
- 運動途中で体調の異変を感じればすみやかに中止する。緊急時は医療機関の受診や救急搬送を行う。
- 生活習慣病やその他の持病がある場合は、運動を開始する前に主治医や健康運動指導士などの専門家に相談する。
- 服装や靴は体格や活動内容、環境や気候に合ったものを選ぶ。
- 運動前後には準備運動・整理運動を行う。
- 自分の体力やレベルに合った運動の種類・強度・時間を選択する。
- 正しいフォームで行う。
- 膝や腰に痛みがある場合は、腰や足への負荷の少ない運動を行う。